開催期間 | 2018年09月15日〜20日 (9:00〜18:00/最終日のみ17:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 3年に1回開催 |
WEB | https://www.iba.de/ |
特記 | 次回は2021年10月23日〜28日 |
製パン・製菓業界のエキスパートが世界中から集結する業界最大の国際専門見本市『iba』は3年ごとにドイツで開催されます。(前々回)の『iba2012』は世界58ヶ国から1,200社超が出展、160ヶ国以上からおよそ70,000人もの業界関係者が来場し、大成功裏のうちに終了しました。また、ZVB-ドイツ製パン工業中央連盟企画≪iba Cup≫をはじめ、併催プログラムも出展・来場双方から高い評価を得ました。
参考・引用元:メッセ・ミュンヘン日本代表部 HP内 iba 2018
1949年より続く国際製パン・製菓機材総合見本市。 3年に1度開催されるドイツ中の製パン・製菓関連業社が一同に集まる見本市です。 2018年のibaには76,800名もの来場者が訪れました。
もちろん海外からも多くの出展社、来場者が集まるので見本市会場内は国際色豊かなパンとスイーツがあふれています。 iba見本市は業界専門見本市ですが、一般来場も可能。お子様(18歳以下)無料で入場可能です。 パンが好き、スイーツが好き、自分で作るのが好きな方にとっても、とても興味深い見本市です。
クラスタ毎にホールが分かれているので、パッケージや製造をスムーズに行うためのソリューションはB1ホールに。 業者ではないけれど、ただひたすら大きな機械系を見たい・・・スイーツ関連商品が見たい・・・など、それぞれの目的毎に大体分かれています。 特にB3ではibaの名物コンテストになりつつある uibc cupも行われているので必見です。
公式には日本からは8社の出展。 これから進出、と言う会社もあればすでにドイツ国内でも根を張りしっかりと活動している企業まで、様々です。 特にどんどん進化して便利になるパッケージング業界ですが、実はドイツでも日本の技術は活躍しています。 スーパーなどで見かける商品のパッケージングは、日本製の機械によって行われていることも多々あります。 安定した生産ラインを保つことができて、万が一の故障の際の安心感などから、ドイツでも日本の産業技術の評価は高い様です。
デモを行っていた機械では、ドイツ在住者なら見覚えのあるカラメライズしたアーモンドが製造されていました。 発想をドイツから得て、独自の技術で作られた‘Gebrannte Mandeln’は、手で持っても、アーモンド同士もくっつかないサラサラとした手触り。 材料は水、砂糖、アーモンドと魔法のオイル(企業秘密ですが機械を購入したら教えてもらえるそうです)。 同じ機械で焼きそばなども大量生産されコンビニに卸されているそうなので、ドイツの、出来ればミュンヘンのどこか日本のレストランが導入してくれないかと期待しています。(焼きそば方面で)
砂糖が薄くコーティングされているので、甘みも控え目で美味しかったです。
人だかりが出来ていた製造ライン。 製菓機械メーカーのMASDAC CO., LTD. 全自動どら焼き機(中身はチョコとかでしたが)の製造ラインとパッケージングまでの過程を見せ、出来上がった商品を配っていました。 見本市会場でも問題なく動くことのアピール、出来上がった製品の確認も同時に行える上に美味しいお土産もセット。
スイーツ作りが捗るグッズ類の出展販売もありました。
これは無いわー、と思いながらも味見してしまった寿司inパン。
ドイツのレストランの食材事情もオーガニックやBIOなど健康に気を使う傾向が顕著です。 衛生的にも留意し、安かろう悪かろうよりも、少し高くても高品質を好む傾向があります。
その中でもグループ会社としてベーカリーやコンディトライ(パティスリーとカフェを併設するお店)、レストランへパン、冷凍食品や調理できる業務用食材を販売するBraun社の担当者にお話を聞きました。 パンをメインとしたArgano, 冷凍パティスリーをメインとしたWolf ButterBackなどと言うグループ会社をもつBraun社はスイーツ系業務用食材をメインとしています。 私が興味のあることしか聞いてませんが・・・
まず、スイーツ系業務用食材Braunでは、使いやすくてわかりやすい、高品質な素材を提供しています。(他にも色々ありますが)今年の主力は以下の3つのようです
素材はただ提供するだけではなく、シンプルな基本の利用法をパッケージに記載し、オンラインでは各素材を使ったアレンジサンプルレシピを提供することで購入したベーカリーやコンディトライにヒントと独自性を作り出してもらえるようにしています。
主力商品の素材を使ったプチケーキ。右の黒位のはシュークリーム・エクレア生地、クリームも美味しい。 白いパンプキンシードつきケーキは、日本のホットケーキミックスによく似ているかも。 この素材使ったら、日本で流行りのパンケーキが簡単に作れそうな気がします・・・
最近の流行りはエクレアだそうで、アレンジサンプルがたくさん。 そう言えば、十数年(?数年?)前まではドイツではエクレアはあまり見かけない菓子の1つだったような気がしますが、近年どこででも見ることができる様になった菓子の1つです。
ドイツ国内でパンの一番の売筋商品は「無い」
冷凍パティスリー部門にはこんな質問を 「ドイツ国内で一番のパンの売筋商品は?」 答えは「北部はどちらかと言うと黒パン系、南部は白パン系、パンだけは地方地方によって好みがあって偏りなく人気があるので、一番の売筋は無い」でした。
ただしスイート系は「クロワッサンとマフィン」が人気とのこと。 ドイツ人はクロワッサンが好き、おやつ感覚なのかもしれません。
冷凍クロワッサンはオーブンで焼き上げるタイプ。
テイクアウトは、注文が入ると同時にさっと出来上がり、素早く温める、ただしパンはカチカチにならないように。 そんな簡単なようで難しかったこともこの10年ほどで改良に改良を重ねられて、たった1分程度で良い感じに温かくできます。 実際に温めてもらって食べてみましたが、パンが本当に柔らかく作りたての様な美味しさでした。 冬の寒い季節、外で待つのもいや、冷たいものを食べるのもいや、と言う要望に応えてくれるオーブンレンジが発明されていました。
オーガニック系健康食品素材を扱う会社のグループ会社が発明したベジタリアンミンチ。 見た目は本物のミンチ肉そのもの。
主原料はSOYA 私たちには馴染みの深い大豆とグリーンピースの2種類があります。 それぞれの違いはグリーンピースの方が食感が重い感じになるのだそうで、やはり大豆の方が人気とのこと。 色付けはルートビーツ、脂質っぽい白い箇所はココナッツオイル。 ここまでそっくりだと、ミンチ肉と間違えてしまいそうな気もします。 発想と技術の進化が成し得たベジタリアンミンチ肉のお味は、肉らしさはそこまでないものの、食感も胃袋的にも満足できました。
こちらは卵じゃないのに、卵味? 卵アレルギーのある方でも食べられるそう。 Veganフードだけでなく、ラクトーゼフリー食材、グルテンフリー食材などもどんどんレパートリーが増えてきていました。
ドイツでは人気商品らしいので、当然マフィンも100% VEGAN
デコが可愛い、ちょっとした持ち寄りケーキで真似したい。
2018年日本代表には福井清史さんと石井謙太さんの両名。 日本は初日、そして開催国ドイツは最終日。
今年のテーマは「宇宙 Universe」どの作品も美味しさは比べられないほど美味しいであろう、と思われるので、表現力と構成で見た個人的な意見を以下に。
手作りの応援フラッグを持って、日本からは応援団も駆けつけていました。 残念ながら今年は賞を逃してしまいましたが、初日のオーブンの不調なども乗り越えてのこの作品の完成度・構成力の高さは素晴らしいです。 個人的には、ここで作られた作品は日本で市販されたら嬉しいなと思っています。 SUNがすごく美味しそうだったのですよ・・・
UIBCジュニアカップでは日本は第3位を受賞。 受賞者はAkari Kushimaさん(漢字表記がわからず、すみません!)おめでとうございます!
さて、今年の優勝国は中国でした。 準優勝はドイツ。 3位はノルウェー。
素敵な授賞式の写真は公式ibaサイトで(人混みがすごくて後ろの方だったので遠くからドイツを少し)
最近見かけないことはないかもしれないドーム型のつやつやしたケーキ。 ドイツではSpielgelglasurと言い、日本ではミラーケーキと呼ばれています。 コンディトライ業界でも、このツヤツヤ感を簡単に作り出す素材も人気です。 このミラーケーキはSNSなどでロシア人のパティシエが紹介してから爆発的に世界に広まったと言う説が一般的な様です。(どこから、誰から始まったかは分かりませんが・・) 新しいものには比較的飛びつかない傾向があるドイツ人にも浸透し、街中で可愛いツヤツヤしたケーキを見かけるようになりました。
ドイツらしいスイーツたちもたくさん、すでにクリスマス向け商品サンプルも
弊社では、名刺やカタログの印刷物制作から、企業のドイツでのメッセの出展準備・ブースの設営・アフターフォローまでサポート致します。 見本市の視察サポートや通訳手配、(真面目な)視察レポート等も承っております。
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