開催期間 | 2023年6月27日〜30日 9:00〜18:00 最終日のみ〜16:00 |
場所 | ドイツ・ミュンヘン |
開催周期 | 2年に一回開催(次回のみ翌年開催) |
WEB | www.automatica-munich.com |
特記 | 次回の予定:2025年6月24日〜27日 同時開催:LASER World of PHOTONICS World of QUANTUM |
2022年は35カ国から574社が出展。約75カ国から28,000人以上の来場者が参加。 オートメーション・ロボット業界最大規模かつ代表的な国際専門見本市
引用元:Automatica Press release
今年2023年に開催されたAUTOMATICAは、例外的に昨年に続いて連続して開催されました。 また、今年からLASER World of PHOTONICS および World of QUANTUM との同時開催となり、多くの来場者で賑わいました。
88 か国から約40,000人の来場者が訪れ 、出展社は34 か国から 650社が出展と昨年の記録を超えています。
開催地ドイツに次ぐ出展国トップ10は、オーストリア、イタリア、スイス、チェコ共和国、韓国、中国、ポーランド、オランダ、スロベニア、米国。 海外からの来場者の割合は約33%と昨年より5%減少しているものの、例外となった連続開催にもかかわらず、来場者数と出展社数の増加はオートメーションとロボティクス分野に強い関心が寄せられていることを証明しています。
またメッセミュンヘンの行った来場者アンケートでは、98%の来場者は展示会の評価を是とする高評価を得ています。
特に今年はWorld of QUANTUM との相性も良かったせいか、これからの業界を支える学生や若いエンジニアの姿もより多く見られました。
今年は TestZone (テストゾーン)と称して、各社の最新技術や機器を思う存分比較検討して試せる場を提供。
また各国のパビリオンに加えて、Smart Maintenance Pavilion(スマートメンテナンス・パビリオン)や Mobile Robots in Production などの各専門分野にクラスタ分けしてよりわかりやすく整然としたフロアマップとなっていました。
昨年もあったスタートアップエリア、Munich I、 AI Society と好評だったエリアも続行。 今期はより進化したAI技術と一時期形を潜めていたロボットたちがよりパワーアップし、性能をあげて戻ってきた印象があります。
昨年は表情の表現方法が試行錯誤されていたような気がするロボットたち。 今年はロボットたちが自ら考えて動けるようなAI技術、より正確に動けるようなセンシング技術が進化し、ロボットたちがその形をそれぞれの役割に合わせて適応し進化したような・・・そのうち本当にドラえもんも誕生しそうなスピードでロボティクスの未来がひらけています。
ところで、初期の頃には、AIとロボティクスは、人の仕事を奪うと敵視されることもややありましたが、現在は人手不足やスキル不足を補う良き相棒となったのではないでしょうか。
今後も重要性が高まる業界のひとつ、AUTOMATICAの次回開催は通常のペースに戻って2年後の2025年となります。
IoTという単語をよく耳にするようになってはや10年ほどになりますが、AIによる視覚での検知が進む一方で、人間の五感や体性感覚の代用、また成分検知の分野やセンシング技術もどんどん進化しています。
高度な技術を小さなバッテリーを駆使して小型化に成功し、精度が高まり、より様々な成分分析が可能となるおかげで、「人が踏み込みにくい場所」で「人の感覚」では読みきれないものまでも読み取るサポートをする技術が進化しています。
工場やロジスティック系倉庫で活躍する自動運転搬送機(ロボット)もセンサリング機能を搭載。 80cm先までしっかり感知し、ねずみのような小さく素早い生き物にも反応します。 動物にも優しい会社です(と担当さん)
例年行われているKUKAのイノベーションアワードの2023年ファイナリストたちの技術もAUTOMATICAで展示されていました。 その中でも非常に興味深かったのが、Team Fashion & Robotics | University of Arts and Industrial Design Linz | Austria(チーム ファッション & ロボティクス | リンツ芸術工業デザイン大学 )のファッション&ロボティクスをかけ合わせた技術です。
ざっくりいうと、近年のサステナビリティ感によるプレッシャー*から、美的センス、着用感だけでなく、素材にも耐久性かつ高品質が求められているファッション業界。 加えて商品の持続可能性も、となると中小企業ではなかなか手が回りきらないのも事実です。 *プレッシャーでなく使命感を感じて行う場合もある
今回このチームが発表していたのが、AIセンサリング技術で補修箇所の検知し、そこにテキスタイル技術から高密度のナノファイバーを使ってロボティクスの技術を応用し補修箇所を修復するというもの。
これからの日常生活をより便利にしていく技術が生まれそうです。
ボールウェーブ株式会社は東北大学と連携して技術開発を行い製造・販売する会社です。 今回は超小型ガスクロマトグラフ Sylphをドローンに搭載して、その可能性を来場者に紹介、魅了していました。
今回発表されているSylphの特殊性は、検知する受信体が円になることで絶えず地表の上を延々と探し続け分析し続ける、基盤技術「ボールSAWセンサ」のおかげで、対象を選ばずに成分分析が可能である事です。 危険な場所での調査を代行してくれたり、素早く危険を察知してくれる技術がより進化していく期待が持てます。
オーストリア・ウィーン近郊に拠点を持つSmart Inspectionはドローンによる検査をメインに行なっていましたが、今回空からだけでなく、地上からの検査が可能となる四つ足ロボットも開発。すでに実用化されているとのこと。
長年疑問だった、なぜ検査用ロボットはいつも四つ足で、しかもなんとなくステップを踏みながら動くのか・・・その理由は4つ足が一番安定しているので、陸地の検査で人が行ける範囲もいけない範囲も隈なく見て回れること。 そして、謎のステップは故障を防ぐため・・・だそうです。 ロプロスにポセイドンが生まれる日も近いのかもしれません。
前回も出店していたクリエイティブテクノロジー。 今回は少し重いものも持ち上げていました(デモ機)
素晴らしい点は電気の力(パワー)に頼らず、持ち上げるものとの接着面を大きくする事ですくいあげる静電気の力(パワー)を増減出来るところにあります。 サステナビリティに配慮しつつ、騒音も出さず、風圧での汚れ(ダスト系)も出さず、繊細な商品を扱う現場で必要とされる製品の進化を見守るのが楽しみな企業のひとつです。
ベアリング、ロールパーツ部門では日本で7割のシェアを誇る機械メーカーTHKも見逃せません。 日本ではすでに数年前から販売されているOMNI センサーで不具合を検知する機器だが、素晴らしい点は他社製品にも対応可能で不具合をしっかり検知してくれるという点。
AI化が進み、オートメーション化がすすんだからこそのリスク対策として、工場や機械が停止してしまう前に不具合を見つけ、最小限の損失で手直しが行えるようになるということは、製造業を営む企業だけでなく、その製品を使う一般の方々にもとてもありがたいものです。
欧州市場へはこれから、ということだが、「保険」が大好きで、不具合が起こる前から心配して対策を二つも三つも講じるドイツ系企業とは相性が良い気がします。
元々各企業ブースにもいかにもロボットはありましたが、今回は顔がモニターになっているもの、手足が動くものが多くなっていました。
表情もなかなか豊かになっているものの、動物っぽい動き(人を感知して、近寄ってきたりする)がより自然になっているような印象のロボットたち。
今年一番目についたのが、配膳型ロボットたちです。 嗜好調査のチラシを載せて、人の後ろをつけまわす(失礼な言い方ですが)様は、なかなか愛着が持てるような気がします。 ドイツではまだあまり一般化していないかもしれないようなので、日本ではそこそこに普及しているそうなので、日本に帰国する時が楽しみです。
各国のパビリオンがある中、日本からのジャパン・パビリオンもあります。 今年はまたチャイナ・パビリオンが勢いを増していたので、日本からの出展があると嬉しく感じます。
ヤスカワ、は毎年大きな機械やロボット技術をこれでもか、と見せる一方でこんな茶目っ気もあります。
今年は記念すべき40周年、でお祝いパーティーも行ったEPSON。 パーティー残念ながら逃してしまいましたが行きたかったです。
弊社では、名刺、カタログ、パネルなどの印刷物からノベルティグッズ制作はもちろん、企業のドイツでのメッセの出展準備・ブース設営からアフターフォローまでサポート致します。 各種サポートが必要な時、お気軽にご相談ください。