開催期間 | 2024年2月28日〜3月3日 (9:00〜18:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 毎年開催 |
WEB | https://www.ihm.de/ |
特記 | 次回:2025年2月28日〜3月3日 2023年同時開催:Handwerk & Design, GARTEN MÜNCHEN, FOOD & LIFE |
1949年から始まり2024年には75周年記念を迎えたIHM – Internationale Handwerkmesse。 2023年度は出展社数はおよそ670社、来場者数は8万5千人と大きな成功をおさめました。 住宅、家具、キッチンなどの家庭用品、工芸品、文化的工芸や装飾品など各手工芸の技術やイノベーションなどが展示・販売。 また、毎年世界各地から工芸の専門家を招待し様々な特別なショーやイベントを行います。
参考・引用元:IHM 公式HP
2024年は6ホール内を4つの見本市が各ホールで開催。
B1 | Handwerk & Design 手工業とデザイン |
B2 B3 C1 C2 |
Internationale Handwerksmesse 国際手工業 |
B3 C3 |
Food & Life フードライフ |
C3 | Gerten München ガーデン・ミュンヘン |
4つの見本市合わせて60の業界から812社が出展。来場者数は総計で91,000人を記録しました。今年75周年を迎えたIHMでは3日間に渡って行われたZUKUNFT HANDWERK(未来のための手工業)は、貿易会社、団体、政治家にとっても業界内交流のプラットフォームとなりました。
初日から最終日まで常に学生が多くいるのもIHMの特徴です。
今年も計25社が、工芸分野における優れた革新的業績に対する連邦賞、そして、技術とデザインの分野における特別な業績に対するバイエルン州賞 Bayerischen Staatspreiseを受賞。
毎年この賞を受賞している製品は近年流行りのサステナブルというだけでなく、工業的な革新技術であったり、工芸としての新しい可能性を秘めた芸術作品だったり、と「手工業」の枠に収まらないプロダクトのことが多いので、見かけたら作品のその背景にあるストーリーを尋ねてみると、より感動を得られます。
いつもは秋冬に見かけるカシミヤ系マフラーのブースも参加が多く、まだまだ寒い日が続くドイツで重宝されていました。見るとついつい買いたくなってしまうので、個人的に危険なのに近寄ってしまうゾーンのひとつです。
IHMだけにこだわらず、Handwerk Designも含めて、興味深かったブースや活動、見本市・展示会での様子をご紹介します。
日本から取り寄せられた、和の陶器を取り扱うKintei sense Kinteiは謹呈を意味するそうです。ただ贈るだけではなく、謹んで呈するという気持ちが込められた商品、製作した作者への敬意、お客様への感謝などが感じられる良い商号です。
花器もほっと落ち着くのに、案外欧風家具ともマッチするところに、連日多くの来場者が足を止めていました。
2017年〜20年まではベルギーでも活躍されていた日本のガラスジュエリーデザイナー梅田香奈さんが立ち上げたブランド _cthruit(シースルーイット)。ガラスを素材にしているけれど、繊細さだけでなく力強さや不思議と温かみを感じるデザインが多くありました。
多くのアーティストやデザイナーさんには日本に帰国して、縁が切れてしまう方もいれば、きちんと繋ぐ方もいます。活躍の場は変われど、作品を魅せる場を選ばず続けていくというのは大変な努力も必要としますが・・・今後もまた欧州で作品を展開してほしいと思います。
実物は画像より美しいので、個展やHPにてお楽しみください。
昨年Bayern賞を受賞したガラス作家のReerさんのブースでは、ほんの少しアシンメトリーで表面は風にそよぐ水のような、ちょっと変わったグラスと水差し poolシリーズをはじめ多くの作品が展示されていました。
poolシリーズが生まれたきっかけは、コロナ期のガス代の高騰だったそう。制作を続けながら、かつ何か面白い素敵なものを作り出し・・・という試行錯誤の末に生まれた結晶。逆境にあったときに、それを逆に楽しんで取り入れてしまう豊かな発想を持つデザイナーさんです。
日本への発送も受け付けているそうです。
会場では学生に向けた職業体験所、そして体験することでスタンプを集めるスタンプラリーを行えます。 参加者には抽選で20ユーロの割引券も貰えてしまうという太っ腹企画です。
今年も多くの学生が開催初日から毎日大勢訪れるこの一角。
自分たちの意思ではなく学校から体験ツアーとしてやってきていますが、体験中に職業体験そのものに集中する様子が非常に微笑ましい雰囲気に包まれています。
職業は全部で22種類。食、工業、手工業に医療系やドイツならではな煙突係(Kaminhehrer)という職業についても学んだり、実際にプロとして活躍する皆様のお話を聞かせてもらえたりします。
ちなみに学生ではなくても体験は行うことが出来るので、プチ職業体験を大人も楽めます。 毎年書いている気がしますが、言語の壁は多少あっても、日本の学校からも来て参加してみてほしい見本市です。
今年のイチオシは初日から少しずつ完成へと進む石畳の施工の様子です。初日はどうなるのか全くわからないところから、どんどん着実に進む工事の様子。
適当に石を置いているわけではない(当然ですが)細やかな技術が隠れているというのを実際に目の当たりにすることで、作業の大変さや職人の技術力の高さを実感できます。
後継者候補なのか、興味を持つ学生さんなのか、親方風の方の目が優しい。私も10年と+α若かったら、いろいろな職業訓練を行ってみたかったです。
商品も多数販売されています。 一点ものもあれば、アンティークもあり。一般市場で販売されているものもメッセ価格(見本市特別割引)で販売されているので、それを目当てにやってくる来場者も多数います。
キッチンや大きめの家具を購入する予定があって、特にこだわりが強くないならおすすめかもしれません。
ジャグジープールは例年の通り、今年はフローティング型ドリンク置きをよく見かけました。使い所が限定されますが、一度は使ってみたい。
世紀末が過ぎても暴漢から身を守ることの大切さも教えてくれます。 店舗用だと思ったらご家庭用がメインのようです。
このブースは見かけるたびに購入したくなるものが多く、品揃えが素晴らしい。
毎年行われている「TALENTE – Masters of the Future」では、27 か国、12 の異なる分野から集まった35歳以下の 92 人の新進気鋭デザイナーによるクリエイティブな作品が発表され、各部門のタレント賞が授与されます。
今年も見どころ満載のIHMと3つの同時開催の見本市。来年は日本からの来場者や出展社が増え、日本の文化や伝統芸術を見てもらいたいと願っています。
弊社では、見本市の視察のお手伝いから、出展のためのサポートを行っております。
名刺、カタログ、パネルなどの印刷物からノベルティグッズ制作はもちろん、ドイツでのメッセの出展準備からアフターフォローまで、各種サポートが必要な時、お気軽にご相談ください。