開催期間 | 2025年09月15日〜19日 (9:00〜18:00/最終日のみ17:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 4年に1回開催 |
WEB | https://www.drinktec.com |
特記 | 同時開催: 次回は2028年9月11日〜15日(予定)開催 |
各種製造加工プラント・機器はもちろんのこと、充填・衛生技術、原材料・フレーバー、飲料容器、貯蔵・運搬、リサイクルに至るまで、飲料・液状食品業界を包括する最新技術・製品が勢ぞろいする、飲料・液状食品技術専門見本市『drinktec』
参考・引用元:メッセ・ミュンヘン日本代表部 HP内 drinktec2017
2025年は飲料・液体食品業界関係者が最新のテクノロジー、トレンド、そしてソリューションを展示・紹介しました。出展社数は、68カ国から1,171社を記録しました。
164カ国以上から58,281人来場、そのうちの70%がドイツ国外からです。ドイツ語、英語、そして多言語が飛び交う国際的なディスカッションと交流の場としても知られています。数多くの基調講演とライブデモンストレーションが出展者と来場者から高く評価されました。
カンファレンスやセミナーの様子
とくに大手飲料業界のリーディングカンパニーからの意思決定者が多数参加し、展示会場での商談も多く行われています。また、研究者や現場の技術者、そしてこれからの未来を担う学生による未来の飲料業界の製品コンセプトや、製造に関するソリューション技術や現時点では解決されていない技術的な問題、サステナブルでエシカルな解決策の提案や、情報を互いに収集するばとなりました。
TUMのプロジェクトの学生さんたち
今回新たに設けられたLiquidromeでは、毎日講演やディスカッションが専門家によって行われ、注目を集めていました。興味深かったのは、ミュンヘン工科大学(TUM)の「Circular Grain」プロジェクトからうまれた、ビールを作る時の残り滓(残滓)から作られたミルクの代替品 「tremi」 注目すべきポイントは本来なら廃棄されるものから美味しい栄養豊かな飲料にアップサイクルされるという点。すでにバイエルンのビールメーカーとのタイアップや協力体制もできているということで、豆乳、アーモンドなどに続く新しい完全植物性ミルク製品が市場にもうすぐ出てくる・・・かもしれません。(現時点ではまだ販売はされていない)
ホップとビールについて学べるが試飲に続く試飲で・・・
ヨーロピアン・ビア・スターの授賞式もdrinktecで9月17日に行われました。73のカテゴリーに分かれた2,160種類以上のビールが、ビール業界の名だたる専門家たち審査員による審査で各カテゴリーの最優秀賞3名が授与されました。ちなみに、今回はペルーのビール醸造所「Cerveza 7 Vidas」が3つの賞を獲得するという快挙を達成。どんな味かは・・・日本でも販売される日がくる日を楽しみにお待ちください。
今回のドリンクテックのテーマは3つ。
いかにサステナブルに資源を生かし、活用していくか。しかし消費者の利便性を損なわずに環境問題にも取り組むという難しいテーマを少しずつ解決するためにはどうすればいいか、を模索する企業も多くあります。
リサイクルとリユースについて説明していただきました
世界初のボトル製造用レーザーブロー成形技術を発表するなど複数の新技術を展示発表。この技術により、より細分化されたポイントにレーザーが当てられるようになるということで、レーザーとスターウォーズのライトセーバーをかけた演出はベタですが、来場者の多数から興味をひいたのではないでしょうか。(私調べですが、入り口で記念写真撮影率が高かった気がします。ブースではコマンダーとトゥルーパーが集まるスーパーイベントタイムも)
最大5人くらい+司令官&R2D2との記念撮影ができそうでした
また、引き続きサステナブルだが、より消費者に寄り添った使いやすさを保つプラスチック・ボトルの製造に注力し、軽量化、完全リサイクル素材の使用と包装システムでも画期的な技術を紹介。
たったの数グラムが世界を変える(かもしれない)。液体を運ぶプラスチックボトルは軽く、頑強でかつしなやかでなくてはなりません。また使用後の循環性と資源をどのようにしてリサイクルし、エネルギーの節約も同時に並行して行う必要があります。今回はさらなる課題として「キャップ」部分をさらに軽く、そして強度は増すことに成功しました。
プロセスの最適化とデジタル化、飲料業界の新しい課題は他業種と同様にデジタライゼーションをどのように行っていくか、にあります。エネルギー効率の改善、そしてサステナブルにつながっていくためのベストソリューションを提案する企業も多数展示していました。
フレーバーだけでなく、組み合わせ、コンセプトまで提案する
あたらしい飲料におけるコンセプトのアイデアや開発技術に関心を寄せる来場者も多数いました。前回はノンアルドリンク、飲料タイプの美容や健康サプリメント、またフレーバー素材もスーパーフードを使ったものも見られていました。
また多様性が尊ばれるご時世、ドリンクの世界も流行からニッチな需要を満たすべく、変わったフレーバー開発もこれまで以上に行われ、挑戦的な組み合わせや、今までになかった新しいタイプのテイストも見られました。
味、色、香り
いくつかのカクテル系ブースや飲料フレーバーメーカーで、近年の人気フレーバーを尋ねてみたところ、きゅうり、チリ系テイストなど、とのこと。なんとなく南国チックなフレーバーが流行しているのかもしれませんね。
また、世界的なブームとなっている抹茶系ドリンクも人気があるようですが、フレーバーとしてはほとんど皆無。味、ではなく、抹茶そのものに価値がおかれているようです。
テイストに合わせたウェルネス系デザイン
ドイツ在住者よりも、もしかしたら日本の方が手にすることが多いかもしれないRC cola。120年という歴史ある炭酸飲料の老舗です。シンガポールではすでに大人気を博しているシリーズから、新商品、コンセプトテイストとしてドイツらしい〜フレーバーコーラも展示・試飲を行なっていました。
色々試飲したなかで、衝撃的だったのが、ピーナッツバター風味コーラ。ピーナッツバターそのものよりも美味しく、クセになりそうなテイストでした。
女性をターゲットとしたフレーバー展開も行なっていて、マンゴー&チリが新鮮で、ドイツでの展開も期待しています。
日系企業でも現法から出展していることが増えてきている
前回も出展していた企業には、ドイツにも欧州拠点を置く(NCC)日本クロージャー株式会社、drinktecを支える企業のひとつKronesの日本支社(全世界の支社が集結してますが)、チェコに古くから進出している現地企業と共同でAJINOMOTO、などがありますが、いくつかの企業をピックアップしてみました。
多くの来場者と会話が弾んでいたブースのひとつ
京都電子工業は、2000年前から海外進出を行なっています。ガスボリューム・エアコンテント測定装置をメイン展示し、アルコール類の振動式密度計と、その横には来場者の目をひく京都の地酒と枡も合わせて日本らしさもアピール。欧州市場ではすでにガスの測定装置は有名ビールメーカーにも採用されています。
欧州市場に代理店もありますが、実際に日本から展示会へ出展することで取引先とのコンタクトもスムーズに、かつ代理店の営業も行いやすくなるのではないでしょうか。
初出展の大和製罐は、英国ではすでに主にプロテイン、乳製品関連で市場への供給を行っています。ドイツにボトル缶充填場もあるということで、今後は欧州全域に向けたマーケティングをおこなっていくとのこと。特に乳製飲料の缶への充填に定評があり、今後ドイツでも増えつつある「XXラテ系」のドリンクボトル販売での利用も期待されます。
ブースはすっきりとしているが、アピールしたいことがまとまって見やすい
大日本印刷(DNP)もdrinktecは初出展となります。今回はアセプティック・システム社としての出展ですが、ペットボトルの無菌充填システムを中心にラインナップしています。日本、アジア圏ではすでに手応え(しっかりと根付いている)もあり、これからは新たに欧州、中等、中央アジアなど各地域での認知度そしてマーケットのシェア拡大を目指ているとのこと。
同社のシステム導入することで得られるメリットとしては、稼働率が非常に高い点です。また、サステナビリティという観点でも欧州競合社に対抗しうる非加熱殺菌システムのグリーンアセプティックでCO2の排出を従来よりも80%も抑え、ランニングコストも減少させることに成功している結果が出ているとのこと。欧州だけでなく世界を視野に入れた商談の場、リサーチの場としてdrinktecに出展されていました。
Osaka Reikenは、今回で3度目のdrinktec出展で、インドdrinktecにも出展予定とのこと。すでに欧州市場では知られる存在ですが、近年の欧州(世界各国)の気候変化により、暑さにも負けない強い温度制御が出来る熱管理技術の需要がこれまで以上に必要とされているとのことで、既存顧客からの評価は高く、また多くの来場者の興味をひいていました。
株式会社ナカキンは、固形物を含む液体の搬送に適したポンプ実機を展示。わかりやすく液体にボールを入れるデモンストレーションを行うことで、製品の特性とつよみをビジュアル化して見せていました。こういった工夫が来場者の足を止める、記憶に残ってのちに商談へとつながる可能性を残せる、のが対面型展示会出展のメリットでもあります。
個人的にはヨーグルに入っている果肉(ブルーベリーなど)が潰れずにそのまま入っていると、1日良いことがありそうな気がするので、ぜひヨーグルトメーカーには取り入れていただきたいです。
未来館ある展示ブース
Kronesは、今回も1ホールで世界各地の地域ごとのインフォメーションも設けられていました。来場者や企業間でのコミュニケーションの場を提供し、業界のリーディングカンパニーであることを実感させるブースと演出でした。特設レストランには重要な顧客、プレスを招いて連日の豪華メニューと演奏イベントも行われていました。
前回に続き、さながら独自のオクトーバーフェスト会場
充填・包装技術のリーディングカンパニーのひとつ、KHSもこのdrinktecで多くの来場者が必ず立ち寄るブースのひとつ
大手KHSのブース
ドイツの検査機器メーカーHeuftのブースはコーポレートカラーの黒とオレンジ。すっきりした印象で話しやすい雰囲気の空間。
Heuftブース
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