開催期間 | 2020年01月26日〜29日 (9:00〜18:00/最終日のみ17:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 毎年開催 |
WEB | https://www.ispo.com/munich |
特記 | 次回は2021年1月28日〜31日 2020年 夏のOutDoor by ISPO:2020年6月28日〜7月1日 |
ISPOミュンヘンは、アウトドア、スキー、アクション、スポーツファッション、パフォーマンススポーツ、テキスタイル素材、ヘルス&フィットネスなどを取り扱う世界でも最大規模の国際スポーツ用品展示会。 2019年は2,700以上の国際出展者が最新の製品・最先端スポーツグッズなどを展示しています。
参考・引用元:ISPO 公式HP
今年度は120カ国からおよそ80,000人もの来場者を記録しました。 来場者数の最も多い国は開催国ドイツ、そしてイタリア、オーストリア、フランス、スイス、英国、そしてロシアと続きます。 およそ70%がドイツからの来場者となりました。
また昨年に比べて来場者数が増えた国2番目に日本が入りました。 東京都からTokyo Pavilionも出展し、今年度はより多くの日本からの出展・来場が目立った年です。
出展者数は昨年に比べてほんの少し減少したものの2850社が出展。 今年度はトヨタが初出展し「トヨタが目指すこれからのMobility Concept」をアウトドア・スポーツ業界の面々に展示しました。
もともとドイツはエコの国。 自然を愛してやまない国ですが、近年の世界中で取り沙汰されているサステナビリティ・持続可能な製品・製造・メンタリティを最も強く意識している国では無いでしょうか。
1970年から始まったISPOは、今年50周年記念を迎えました。 ISPO2020年のテーマでもある ’50 Years of Tomorrow’ 「これまでの50年間、これからの50年後の今日」(という感じの意味でしょうか)
私たちの住む世界はどうなっているのだろうを主軸に、サステナビリティ・持続可能な技術、活動に絡んだスポーツ関連業界をテーマにした展示会となりました。
SDGとは、国連が2015年に採決された持続可能な開発のための目標です。(17のグローバル目標と169のターゲット)2030年までの達成を目標にしています。 日本でももちろん取り組みが行われており、例えばオリンピック・パラリンピックの開催を通じて目標達成を目指しています。
ISPOでも50周年の節目を迎え、気持ちも新たに、より一層SDGに取り組んで行くことを決意・表明しました。
今年はより一層力の入ったサステナビリティーハブ(コーナー)では、現在の取組と持続可能な開発技術や製品をピックアップしたツアーも行われていました。
BIO-based material とBIO-degradable Materialの同異点、現在の環境保護や懸念される持続可能な製造のための材質の生成、リサイクルと新しい取扱いなど。 基本的な情報を分かりやすい形で説明してくれるモデレーターの導入から、実際に取組んでいるそれぞれのメーカーから説明を聞くという、初心者から上級者まで満足出来る簡潔なツアーとなりました。
もう開催年となった東京オリンピック2020。 ISPOでも東京都主催のパビリオン・ブースが出展し、日本から多数のメーカー、ブランドがドイツに初披露。 初日にはTokyo Nightを開催。 日本食と日本酒を楽しみながら、じゃんけん大会を楽しむなどの日本らしいミニ・イベントも行われました。
東京パビリオンには興味深い出展社ばかりでしたが、その中でもISPO TextrendsでTOP10を受賞したAddElmの製品をピックアップ。
AddElmテクノロジーは、「人体生理学」「脳科学」「心理学」をベースに
人間の生理反応を利用したテクノロジーの研究開発を行なっております。
公式HPより https://addelm.com/
AddElmは、触感刺激を利用して「簡単にいつも以上の力を自然に出すことが出来る様になる素材」を研究開発しました。まるでドーピング?と思ってしまうかもしれませんが、その人が本来持つ100%以上の力を出して身体に負担を強いるのがドーピング薬とすれば、AddElmテクノロジーは本来持つ100%の力を無意識に自然に引き出す揮発剤の様な効果をもたらします。
日本ではすでにいくつかのメーカーがその技術を取り入れていますが、ドイツ・欧州ではまだこれから、とのこと。 今後の活躍が楽しみな日本の技術のひとつです。
今季のISPOで特に目立ったのは、スキーウエア業界とアウトドア業界の境界線が消失しつつあるところかもしれません。 ひと昔は「これぞスキーウェア」が流行し、近年はスリム化ダウン、そして今年は山からタウンにも気軽に降りてこれるアウトフィットに変化している様です。 もちろん雪山に耐えうる暖かさと動きやすさはキープしたまま。
近年のロシア系メーカーのスキーウェア・用品の可愛さと機能的な素晴らしさは目を見張るものがある、と去年からずっと思っています。 カラーの使い方も派手すぎずポップだが、年代問わずに使えそうな印象。 暖かさは折り紙付き。
ロシアの民族衣装カフタンをモチーフにした超極寒でも耐えうるダウンジャケット。 このダウンのキモは、分厚い手袋をつけたままでも、着脱が簡単に出来る点です。
ボタンは、ドイツメーカーが開発したマグネットタイプ式。 携帯が取り出しやすく落ちにくい隠しポケットや専用バッグなど、寒い中でも暖かいまま不便なく動ける仕様になっています。 デザインも野暮ったさを感じません。
他にも忍者の衣装にヒントを得た、雪山でもしっかり防水防寒出来るウェアセットも展開中。 若かりし頃のプーチンに似合いそうです。
スイスのラグジュアリーなリゾート地サンモリッツとコラボレーションを発表。 いくつかカラーはあるけれど、一推しはオレンジです。 確かにメガネ業界でもネオン系、ISPOでも明るい原色系が至るところで目につきました。今年は明るい色がはやるのかもしれませんね。
特に注目したいのはメンズジャケット。 革ジャンとコーデュロイ素材のスキーウェアが斬新です。 このままスキーも出来れば、街でも全く目立たないタウンユース仕様です。 レディースは007スタイル(ピチピチ・ボディラインが出る感じ)もより一層進化した感じもあります。
カジュアルラインではまさにタウンユースも可能なデザイン。 色味は抑えても、どこかにゴージャス感を出すためにスワロフスキーを入れているところがポイントです。
カナダのブランド アークテリクスは始祖鳥の化石がロゴと名前の由来。 プレス担当曰く、今季のモデルは特にレディースが女性らしく、でも暖かく動きやすいデザインになったそう。 インとアウトをしっかり分けてレイヤーで重ね着することで山でも街でもより使いやすくなりました。
https://www.instagram.com/p/B70zc-EIp_a/?utm_source=ig_web_button_share_sheet
超画期的なお手軽持ち運びサイズのスキー板、その名もBootski。 2019年末にローンチしたばかりのSTOLTですが、すでに今回のISPOで代理店契約や取扱店舗が多数増えたそうです。 商品は優れているし、しかも安価でスウェーデン製なのでオススメです。
アディダスも今季はアウトドアとシティで切り替える必要の無いウェアに注目。 機能的な面はそのままに、シティユースでも浮いてしまわないデザインを大事にしたプロダクトが増えていました。
新しい試みとしては、完全染色なし、PETのみを利用し、生地も再利用可能。 実際に収集してリサイクルする際に時間も手間もかからない様、ジッパー、ボタン、ベルクローなど一切使わない保温性の高いジャケットを展示していました。 もちろんこの様な商品ばかりにはなりませんが、やるならとことんやってみた!というのも、また面白い試みの一つではないでしょうか?
ISPO お馴染みのブラックロールからは新作ツイストロールが初お目見え。 新作のFCバイエルンとのコラボレーション・プロダクトはお互いのコーポレートカラーを融合させた黒と赤で統一されています。
今年の注目はOSRAMとのコラボレーション・LEDライトがつけられるリュックサック。 夜間の通学・通勤でも安心安全です。 いち早くサステナビリティに取組んでいるVaudeの今年の目標はBIOベースマテリアルの利用またはリサイクル100%です。 ただし、製品の便利さと品質には妥協しません。 例えばHempとリサイクルマテリアルの融合で防水機能も加えられます。
定評のあるグローブ・ブランドReusch。 手袋も重ね着の時代になった様です。 内側は暖かい薄手の手袋を着用し、外側には頑丈だが動きやすい素材を使った手袋を重ねます。 内側が5本に分かれている事で、暖かさと動かしやすさを実現しています。
Reuschのブランドコンセプトは、闇雲にエコ・リサイクルの波に乗るのではなく、最も重要なのは「グローブに求められている事=頑丈で耐久性があり動きやすい」を念頭においている事。 出来る限りで自然環境に配慮するが、配慮しすぎるあまり使用者にとって不都合が起きたり、品質低下を招く場合は割り切ってしまうという点。
この考え方、現在の持続可能なマテリアルを!の中、なかなか大きな声では言いづらいけれど、誰もが頭の隅で考えている事ではないでしょうか。 いきすぎた自然保護は逆に何かを壊してしまう、ほどほどに今出来ることで折り合いをつけていくという姿勢が清々しく感じられました。
現時点では日本未入荷のドイツのOzianが開発した洗える・絶対滑らないコットン・マット。 ストレッチをしている時などに下のマットが動く・外に持って出た時に持ち運びにくい・洗えない、問題点を全てクリアした上に100%コットン・エコ素材を利用した優秀素材。 今年〜来年には日本で展示する予定とのこと。
TATAMIX イタリアのマットレス・メーカー。 名前の由来はもちろん畳から
MATTからはカラフルで楽しくなるセット商品が可愛い
日本人的にはちょっと抵抗を感じる商品名SUPERDRY 極度乾燥(しなさい)から、2020年、満を持してのアウトドアラインのスタート。 その名も冒険魂・・・。
ドイツのスポーツウェアをいくつか見て回って、この数年思うこと。 スポーツをしている間(?)はどうしてお腹を涼しく、肩は温めるが流行しているのか。 今年はCRAFTのアウトフィットもインナーも全て当たりが多かっただけに、余計に気になりました。
近年ドンキ系ヤンキースタイルモードがいくつかあるFILA 全てがそうではなくて、一部分だけ日本の一部のターゲット層を狙った様なデザインに。
薄いレインコートの様な、防水・暴風変型コートも多くありました。
安心のREDELK イタリアらしい色使いと大人しそうに見えて派手なところは流石です。
遠目でわかりにくいですが、白いのはニット風
日本でも販売されている機能的ソックス STANCEのブース。 耐久性をパフォーマンス。
3Dプリンタのお陰で大きく変わりそうなのが、靴やインソールではないかと思っています。 これからは靴のデザインはともかく靴底やインソールはオリジナルで作る事が主流になるかもしれません。
ドイターの新商品は本当に優れもの。 リュックにもなればスーツケースとしても利用可能ですが、背負う部分が完全に収納できる点が素晴らしい。 開いたフタ部分の収納箇所もあります。
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GARMINからは普通の時計に見えて、実はデジタルウォッチな優れもの。 時計はアナログの方が見やすいけれど、デジタル機能もつけてしまった素晴らしい一品。 ただし、結構力強く時計の盤面をクリックするのに慣れるまではなかなか表示されにくいです。 頑丈に出来ているので、思い切って押しちゃって!とのこと。
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