開催期間 | 2022年11月28日〜30日 (9:00〜18:00/最終日のみ17:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 毎年開催 |
WEB | https://www.ispo.com/munich |
特記 | 次回は2023年11月28日〜30日 夏のOutDoor by ISPO:2023年6月04日〜6月06日(MOC) 同時開催:THERAPIE MÜNCHEN |
ISPOミュンヘンは、アウトドア、スキー、アクション、スポーツファッション、パフォーマンススポーツ、テキスタイル素材、ヘルス&フィットネスなどを取り扱う世界でも最大規模の国際スポーツ用品展示会。 2019年は2,700以上の国際出展者が最新の製品・最先端スポーツグッズなどを展示しています。
参考・引用元:ISPO 公式HP
今年度は50カ国からの出展社数約1700、117カ国からおよそ40,000人もの来場者を記録しました。
最も出展の多かったトップ5は、ドイツ、イタリア、フランス、中国、台湾。そのうちの約20%は、ISPOミュンヘンに今年初めて参加した企業という結果になります。アウトドア・ウインタースポーツの業界への関心が強く高まり、発展していることを著しているのではないでしょうか。
来場者数の最も多い国は開催国ドイツ、そしてイタリア、フランス、イギリス、オーストリアでした。 およそ73%が海外からの参加のインターナショナル・イベントとなりました。
今年のスローガンである ”New Perspectives on Sports”(直訳すると、スポーツへの新しい視点)
今年は例年出展している有名メーカー、定番出展社は減少していましたが、その代わりに新規出展が増えた新鮮な印象もあり、今年のスローガンにふさわしく「新しい視点」からのISPO 「新しい視点」を見せるISPOとなったのかもしれません。
今年のサステナビリティHUB には取り組み始めた初期に比べて本当にパートナーブランドが増加し、全ての業界からの参加となりました。
スポーツ業界そして中でもアウトドア業界では、古くから取り組んでいるSDG。ドイツはもとより欧州では、全ての業界にとっての重要な要素になります。製品の原材料はもとより製造工程から販売まで。消費者も含めて、それらに関わる人々全てが持続可能性を意識して実践していこうレベルです。
そしてアウトドアスポーツ業界は特にサステナビリティへの配慮が元々高く、パイオニア的な存在でもあります。 近年では、デザイン、生産、包装から消費者に届けるまでの製造者側の努力だけでは補えない、受け取った消費者側のさらなる持続可能性を保つ努力と理解を深めるように伝える動きも出ています。
そして、製造者側では薄利多売を謳わずに、可能な限りのリサイクルを行なっていこうという動きも出ています。
パタゴニアが取り組むワンウェイツアー(Oneway Tour)は自社ブランドだけでなく、全てのメーカーのアウトドア衣類を修繕して、出来るだけ長く使っていこうという活動です。 2018年に初めて欧州でスタートし、今年は欧州ツアー、通常はアムステルダムに移動可能型リペアカーを常駐しています。
製品を長く使っていこうという同様の動きは各アウトドアメーカーでも「自社製品の無料リペア」という形で行われています。
サステナブルにマウンテンスポーツを楽しむためのEラーニング・プラットフォームをスタート。 PROTACT ACADEMY LABはオンライン上で誰でも参加が可能です。(言語はドイツ語、英語になるので別の意味でも勉強に)
アウトドア・キャンピングブランドといえば、のDometic。元々はスウェーデンの家電からスタートし、アウトドアでのクーラーボックスやドリンクボトルが有名なブランドです。 元々が家電メーカーだったため、エレクトリック周りは安心安全。 デザインもスウェーデンらしい落ち着いてなんとなくのんびり出来る色使いと流線を描くデザインが多いように感じます。
来年の新作の中でもイチオシは、4つの蓋が全ての大きさのボトルに使える万能性100%なサーモボトルです。
今年は多くの日本企業の出展もあり、例年とは少し違った顔ぶれや初出展のブランドもあり賑わっていました。
Waste to Wealthを主題とし、ごみを富に変える会社として活動しているRefinverse Group。 今回出展していたのは、漁網をアップサイクルして再生ナイロン樹脂「REAMIDE(登録商標マーク)」の製作過程からその用途まで。
再生ナイロン樹脂を用いて糸を作り、布とし、日本のファッション専門学校「文化学園」とのコラボレーションで作られた衣装が展示されていました。 まさに、アップサイクル。
東京パビリオンでも出展していた株式会社リベルタの商品ラインナップのひとつ、Freeze Tech 氷激の新製品がお目見え。 また、日本ではすでに販売されている衣類用冷感ミストスプレーを試してみましたが、冬のドイツで絶対にやってはいけない冷たさに大後悔。ミストがついている部分をまくらないと寒くて困るほど・・・夏のアウトドアISPOで試したかったです。(今年の夏は本当に暑かったので)
どんどん暑くなっているドイツの夏ですが、ドイツではその暑さ対策自体のノウハウはまだまだ出来ていません。 日本から夏の暑さ対策製品やサービスの需要は高く、今後ドイツ国内で流通することを祈っています。(まだまだクーラー設置が少ないので、切実)
日本では創業60周年の老舗の靴下製造会社の三笠。数ある製品の中から選ばれし精鋭ソックスたちの中でも、最も注目はツボ押しが一目瞭然のTSUBO RECIPEソックス。来場者人気も格段に高かったとのことですが、もともとドイツは足の健康に気を遣う傾向が高いので、納得のいくところではないでしょうか。
5本指ソックスが流行りだし、抵抗が少なくなっていること。コロナ禍以降、より健康重視の傾向が強く歩くことや運動への意識が高まっているちょうど良いタイミングでの製品紹介だったのではないでしょうか。今回は初出展ということでしたが、来年度以降から出展と新製品を心待ちにする来場者も多いだろうと予測されます。
私も含めて、質の良い日本製ソックス(特に五本指とか足ツボ系)を待っている在独邦人も、欧州の人以上に心待ちにしていると思います。
ISPO初出展のabienはMAGIC GRILLを実演を交えながらの展示で多くの来場者を惹きつけていました。Magic grillは、簡単に言うとスタイリッシュで使いやすい薄い鉄板です。ポイントはその薄さに加えて、高密度ヒーターを内蔵したプレートのおかげでプレート全体が均一に温まる点です。 よくある角は焼けにくいけど真ん中が焦げる、という問題は皆無です。
また、表面の加工が焦げ付きを防ぎ、取り外し可能なのでいつでも清潔に保てる点もポイントです。使用ワット数も(ドイツの他社同様製品に比べると)低く*、焦げ付かないので煙も出ないため家屋でも安全に使えます。
日本ではお馴染みの旭化成 ISPOには旭化成グループのキーブランド3つによる共同ブースでした。(と言ってもそれぞれがつながっていて、一つの大きなブースですが)3つそれぞれが旭化成の持つ強みでもある化学の力で生まれた機能性の高い素材とサステナビリティを意識した高品質製品。 ECOSENSOR ®︎は、トレーサブルナな高機能ファブリックを提供。 ROICA®︎はプレミアムストレッチファイバー、体にフィットするしなやかな伸びのある素材。
そして、最後に特にアウトドアに特化して(他業界でも)使えるRespiGard™️ 。RespiGard™️は、記憶に新しいノーベル化学賞を受賞した旭化成のリチウム電池、 そのセパレーターとして使われる「セルガード®︎」*の技術を応用したフッ素フリー防水防湿フィルムです。 このフィルムをテキスタイル同志の間に挟み込むことで、軽くて薄いのに防水性があり、体熱も上手に外に逃すので蒸れない仕様のアパレルや靴などに使える素材と担当者さん。
実際に使用例として展示されるウインドブレーカーを触ってみると、まるで羽のように軽やかで薄く、気候が変わりやすい山はもちろん、寒暖差の激しいドイツではシティユースでも重宝されそうです。
*「セルガード®︎」は旭化成のポリオレフィン製平膜で、リチウムイオン電池のセパレータ等のハイテク分野を中心に、様々な領域で使用されています。平膜とはフィルム状の多孔質材料を意味します。旭化成の平膜「セルガード®︎」は多様な膜厚と微小孔を持つ高機能平膜です。(引用:https://www.asahi-kasei.co.jp/hipore)
ボタンや服飾パーツの製造会社アイリス。ブース内には社の歴史と取り組み、商品が見える分かりやすくシンプルな作り、多くの来場者が商談をしていました。とある興味深い商品もありましたが、それはオフレコ?ということで、興味が出た人はぜひお尋ねしてみてください。
BO/ICMホールでは、Therapie Muenchenが今年初めて共同開催されました。 会場内には出展社数95社、ISPOの参加者も入場出来る治療と医療リハビリテーションのための見本市になります。 理学療法や物理療法用のセラピー機器、リハビリテーション機器や補助器具、フィットネスやトレーニング用のセラピー機器、消耗品、ウェルネスのコンセプトや製品、また診療所やフィットネスなどで使用されるアプリやサービスなどを展示。
数ある製品の中でも特に興味深かった製品をいくつかご紹介します。
巷では定番のポールではなく、少し変わった形状の健康器具 SPINEFITTERは、背骨の両側の筋肉部分を主に刺激します。 理学療法士のNina Metternich が開発しsisselから販売中。治療院やピラティススタジオなどで使用されています。主な4つの機能効果は
持ち運びの楽さと素人でも使い始めやすく、なにより効果が即感じられるのが素晴らしい点。 もちろんインストラクターに一度習ってから使うのと、自己流で使ってみるのは、効果の差が天と地の差がありますが・・・特に肩こりと腰痛がひどい人にはおすすめです。その上に10分ほど寝転がって肩を回すだけでも肩こりの改善が感じられる優れものです。(日本上陸済み)
老人でも軽々もちあげられる軽さがわずか5.2kgの高齢者向け(大人向け)キックバイク(ペダル無し自転車) Sollso まだ販売から1年ほどですが、その人気は高齢者だけにとどまらず。
あったかグッズも豊作。特にワンタッチで暖かくなる衣類や靴下などはこれまで以上に手軽に利用できる様になりました。
靴下製造から始まったオーストリアのLENZからは続々と使いやすくて動きやすい暖かい手袋や肌着たちがお目見え。内臓バッテリーの持ちの長さはもちろん、ヒートシステムはアプリでオンオフが可能な点がおすすめポイントです。
他にも足の大きさに合わせてカットできる暖かくなるUSB式中敷、gloviiからは、スイッチ部分をポケットに仕舞い込み、きちんとジッパーを閉めておけば完全防水となり、洗濯も普通に可能なヒートアップできるトレーニングパンツなど、寒い冬も乗り切れる製品が目につきました。
今年はポルスカ、ポーランドの製品が目立ちました。 雪山なんだもの、派手にいこうよ目立とうよ、という近年のドイツのアウトドアブランド・メーカーの主流に逆らう感じがポップで新鮮です。
他のポーランドブランドも製品アイデアも、カラー使いも斬新で、今年のISPOは、ポーランド旋風が吹き荒れていたように思います。 なかでも特に派手なのに、なぜか落ち着くポーランドのウィンタースポーツブランドGAGABOO はブース作りも秀逸でした。
OUTDOOR ISPOで貰ったTシャツは恐ろしく臭いませんでしたが、まさか出展者たちが決死の覚悟で実行するとは思いもよらず。 今回もスポーツ後もフレッシュなTシャツをもらいました。 日本では有名スポーツや肌着メーカーにすでに取り入れられているとのことですが、この技術はぜひ靴下とか靴にも取り入れていただきたい。
たまたま足を骨折して不味い粉末コラーゲンを飲むことになり、その苦痛から逃れるべく開発した美味しくて体に良いコラーゲン・ペプチド入り飲料。 開発された過程が過程だけに、成分はしっかりそのままに、味だけが美味しくなっています。 ドイツでは清涼飲料水としてのコラーゲン入りはあまり見かけませんが、現在Rossmannで取扱中 *ドラッグストア、店舗による*
フリスビーの競技人口は世界中で500万人、11000ものコースがあり、プロ大会も活発に開催されていることをご存じでしょうか?(私は知りませんでした)
日本にも多くのフリスビー会場があり、アメリカでは競技人口もコースも年々どころか日々増えている位の人気だそうです。特にコロナ禍でのソーシャルディスタンスで出来る遊びということで、人気が過熱。 フリスビー専用バッグとかゴールもあれば、フリスビーの模様もメンター、マエストロ、ジーニアスなどの錚々たるモチーフです。その中のひとつにSenseiもいらっしゃいますが、ただ絵柄が中国チックな老師だったところは、日本人としてひと言伝えておきました。
ISPO AWARDも受賞したフィンランドのボードブランド PUSU。全て手作りのハンドメイドボードで、グラスファイバーを木材に加工したサステナブルボードを展開。 耐久力が高く、表面も美しい。 さすがフィンランド、サイドプロジェクトではムーミンとコラボレーション。
オンラインの巨人Alibaba.comも 素材だけでなく製造にも中国が
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