開催期間 | 2021年10月06日〜08日 |
場所 | ドイツ・ミュンヘン |
開催周期 | 1年に一回開催 |
WEB | www.thesmartere.de |
特記 | 次回は2022年5月11日〜13日 |
The smarter E Europe は、Inter Solar , electrical energy storage , Power 2 DRIVE , Energy behind the meter と4つのソーラーエネルギー関連業界の技術専門見本市です。 太陽光発電、太陽熱技術、太陽熱発電所およびグリッド・インフラと再生可能エネルギーの統合ソリューションの最先端技術が集結します。
大学や研究所などからの展示出展も多いThe Smarter Eは、4つの電気エネルギー関連事業見本市で構成され、ホール内もクラスター毎に分かれています。
EV関連事業と相まって現在注目の業界見本市です。 2021年のリスタート・コンパクトバージョンでは、450社以上の出展社と世界中から約26,000人の来場者が集まりました。
会場内はコロナ対策としてマスクの着用と多くのブースには消毒液が配置されていました。 ただし人と人の密集具合は全く1.5mとは程遠かったものの、フォーラム など講演を聞くための座席はしっかり1.5mと不思議なコントラストを生み出していたように思います。
アンゲラ・メルケル首相は、電気自動車の国家プラットフォームの下で、2020年までにドイツの道路に100万台の電気自動車を配備するという当初の目標を設定しました。 そのため、電気自動車とその関連事業は、ドイツ連邦政府によって積極的にサポートされています。
市内ではすでにディーゼル車は通れない道が増えつつあり、30年には規制を始め、40年にはプラグインハイブリッド車も含みガソリン車・ディーゼル車の販売禁止も目標としています。
ただし、禁止するだけではなく、消費者がルールを守りやすくなるべく、電気自動車購入への補助金支給の導入も実施しています。
2019年は、4万ユーロ以下の車には約6千ユーロを、4万〜6万5千ユーロの価格帯の車には5千ユーロを支給。 翌年には、さらに9千ユーロと7千5百ユーロへと補助金を増や、補助金支給期限も2025年までに延長することで電気自動車の購入を促しています。
コロナ禍の消費税19% から16%に変えた一時的措置も、電気自動車の購入を後押ししています。 筆者自身も「高額なものは、今買おう」という気持ちになったのは否めません。
電気自動車が普及すれば、そのエネルギーをどのように製造、貯蔵し、充電するかの問題も出てくるため、業界全体が非常に活発であると同時に、電気自動車(モビリティ)への反発や疑問も同時に生じてきます。
恐らくショッキングかつ最も真実味を帯びている警鐘のひとつに、2019 年4 月17 日に発表された論文(ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン名誉教授 Hans-Werner Sinn ハンスーヴェルナー・ジン教授、他研究者)では、二酸化炭素(CO2)排出量は現時点ではディーゼル車よりも電気自動車の方が上回るという内容です。
*「現時点(2018年)での」という注意がつきますが
ドイツの電源構成+バッテリー生産段階のエネルギー消費量+電気自動車EV > ディーゼル車
となります。 研究で比較された車種は、アメリカテスラ[Model 3]と同等クラスとしてダイムラーメルセデス [C 220d]です。
もちろん2018年からすでに3年が経っているので、現時点の結果はどうなるのかはわかりませんが、電気自動車の売りのひとつ「環境に優しい」は少なくとも見直しが必要になるのでしょう。
カーボンニュートラル、サステナビリティな思想や行動が市民権以上を得ている近年の動きから、敏感になり過ぎている嫌いはありますが、放置すべき問題ではないことも明らかです。 技術の革新は進める中で少しでも環境に良いエネルギーを作り出すことが望まれ、目標とされているのではないでしょうか。
実際は電気自動車の普及とともに、家屋内で使用される電化製品、オール電化な家も増加傾向にあるので、モビリティのみよりもエネルギー製造と貯蔵の問題の方が重要になってきています。
前回、多数あったパビリオンは今回は無く、規模もコロナウイルス による影響から減少していました。 アジアからのパビリオンはなかったものの、アジア諸国から複数の企業が単独で出展。 中国からは合計37社、Huawei、Trinastrage、SUNGROWにPolsterの電気自動車もIAAに続いて、会場に華を添えています。
しかし中国から出展していても、出資と技術は日本から、本社はベトナムというVSUNや、日本からとして住友電気工業 Sumitomo Electric Industries, Ltdも出展していました。
ソーラーパネルとバッテリー貯蔵・充電機器が充実(以上に満載)だった、その一方で風力発電関連の出展がほぼ見られなかった点が少々残念でもあります。 風力発電に関しては、今回の見本市がエネルギー技術と銘打っていても、IAAに引き続いてのモビリティ寄りだったことも要因のひとつかもしれません。
ソーラーパネルとは、太陽の光で発電を行うパネルのことです。 別名、太陽電池パネル、太陽電池板などとも呼ばれます。これまではありきたりな(失礼?)一辺倒のデザインでしたが、今回の展示会では様々なデザイン、機能が加わっていました。
個人的に新しい技術が生まれた時、機能性をあげることに最初は注力し、ほどほどにその技術が広まったころに技術にデザイン性が加わってくる、と思っています。
今回は普通の屋根に紛れ込ませたソーラーパネル、ラミネートを施したり、形に拘ったりと進化が感じられます。
老舗というか、安心のドイツメーカーBISOLからは、家の外壁に貼り付けていてもおしゃれ感を感じるパネルが発表されていました。
HOPE-A会長のprof.Logothetidisさんにお話をうかがいました。
HOPE-Aは、有機・プリンテッドエレクトロニクス時代の技術、イノベーションを推進し、他国との技術協力関係を結んで技術進化を推進するギリシャの団体です。 日本のJAPECとも協力関係にあり、有機・プリンテッドエレクトロニクスのナノ材料、デバイスから統合システムおよび製品。 また今回の見本市で多く見られたエネルギー、エレクトロニクス、自動車などへの応用に関する技術など多岐に渡って協働しています。
実際の日本からの出展数は低いものの、実は技術面や見えないところで大きく関わっている日本。 ギリシャでも日本は技術面に特化して優秀という印象のようです。
今後も大きくなるマーケットであろうと予測されるだけに、裏方から表舞台にどーんと出てきて欲しいと思います。 次回は日本からの出展社数40社なんて期待しています。
ドイツでよく見かける原野のサイクリングロード。 普通の自転車ならともかく、万が一電動自転車でバッテリーが切れかけても道のど真ん中にこれがあれば大丈夫。 ただし夏に限る、という感じですがアイデアが面白い。 そのうち応用されそうなデザインではないでしょうか。
とても気軽に設置出来そうなスリム設計、シンプルデザイン、そして機能の充実を感じる。 これから本当に浸透していくのだな、と一番実感したような気がする。
弊社では、様々な見本市で必要になる名刺、カタログ、パネルなどの印刷物からノベルティグッズ制作はもちろん、企業のドイツでのメッセの出展準備・ブース設営からアフターフォローまでサポート致します。 各種サポートが必要な時、お気軽にご相談ください。