開催期間 | 2023年11月14日〜17日 (9:00〜18:00/最終日のみ17:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 2年に1回開催 |
WEB | https://productronica.com/index.html |
特記 | electronicaと交互に開催、次回は2025年11月18日〜21日 共同開催:SEMICON Europa |
2021年度は世界36カ国から894の出展社が参加し、約70カ国から約2万人の業界関係者が参加。新型コロナウイルスの影響も感じさせない盛況ぶりとなりました。 訪問者のうち98%から高い評価を得るエレクトロニクス産業・開発の最先端見本市です。(2019年アンケートより)
参考・引用元:productronica 公式HP
プロダクトロニカで取り扱う品目は、マイクロ・ナノ製造技術やオーガニックエレクトロニクス。 半導体・ディスプレイ製造やハイブリッド部品製図、エレクトロニクス産業で利用される製造機械、組み立て・加工・装置・計測・試験・検査機器などですが、主要なトピックには、パワー エレクトロニクス、人工知能、エレクトロニクス製造におけるセンサーも含まれていました。 今年度は合計8ホールとICM会場(SEMICON EUROPA含む)を使っての開催となります。
8ホールの内訳は、SMTクラスターが4ホールを占め、1ホールをセミコンダクタークラスターとフューチャープロダクションクラスターが占め、PCB&EMSクラスター、ケーブル・コイル&ハイブリッドクラスター、そしてSemicon Europaとなります。
2023年は、総45カ国から1400を超える出展社を記録し、海外からの企業の参加が54%と2021年に比べて3%の増加。来場者数は94カ国から約42000人を記録。コロナ以前の元の数値とほぼ同等で海外からの来場者数は6割(約58%)。
なお、上位出展国はドイツ、アメリカ、中国です。 また、ドイツに次いで訪問者数が多かった国はイタリア、オーストリア、スイス、フランス、イギリス、ポーランド、チェコ共和国、アメリカ、中国、オランダと続きます。
公式には2021年に比較した中国からの出展数、出展面積が目立ってはいましたが、日本からも多くの出展社・来場者は前回と比較して増加していました。
毎年お馴染みの国から、なんとなく見かけなかったような国のパビリオンも。
東欧勢も活躍。近年目覚ましく良い印象を作り上げて残していく動きが見えます。
日本からは通常の(と言うと語弊もありそうですが)企業としての出展はもちろん、新たな試みとして商取引自体を主な目的としない出展ブースがいくつか見られました。
特に日本の北部である東北・北海道では半導体タウンを目指した動きが見られます。企業を誘致するということはの通常のインフラ整備に加えて、文化的な人種的な理解と友好的な街になるための努力が、生活の全ての面において発生するということです。利点も大きくあれば、困難な問題も多く発生するというのは当然ですが、グローバル化が謳われる時代に沿った流れなのかもしれません。
半導体の巨大工場建設については、熊本にすでにPSMCの第一工場建設でのケーススタディもあるため、対策も為されているのではないかと想像しますが、北海道のシリコンバレーに、宮城のシリコンロード、九州のシリコンアイランド、そして広島にも建設され・・・今後の日本の半導体関連業界の動きは、日本経済に大きな影響を与えるのではないでしょうか。
開催地ミュンヘンとも縁の深い北海道は札幌市*の出展ブースでは、半導体ならびに関連企業の日本への誘致を目的としています。
*ミュンヘンと札幌市は姉妹都市でこの数年多数の共同事業やイベントを企画・開催
比較的便利の良い千歳空港近郊広大な土地を活用した、国外からの優秀な人材を集め市の活性化を図る一大事業があります。Hokkaido Valleyコンセプトには、札幌、千歳、苫小牧と石狩という北海道の重要拠点をそれぞれにデータセンターと工場や再生エネルギーのための施設が建てる予定です。
すでに今年9月にはRapidus(ラピダス)*が工場の建設着工し、2025年から稼働を始める予定です。
その波にのって、さらなる海外企業の誘致を試み半導体タウンの実現を試みる動きが活発に行われていました。
*日本の半導体マーケットを牽引する企業など8社が合同で立ち上げた半導体メーカー
すでに台湾の半導体ファウンドリ大手の力晶積成電子製造(PSMC)がSBIグループとともに宮城に新工場の建設を確定し、2027年には稼働を始める予定です。やはり宮城でも大型半導体工場が建設されるということは、受け入れる地域の準備と対策も必要となります。
受け入れ地域から少しずつグローバル化と良い意味での地域の活性化が行われることを期待。 個人的には、心の潤いを提供する宮城県の「むすび丸」の活躍も期待しています。
事前に情報を集め、実際に現場の様子を見ておくということは非常に重要ですが、そこを公的に手助けしていくという試みをおこなっていたのが東京都の委託ではじまったという東京都金属プレス工業会の新しい試みは非常に興味深く他業界でも必要とされるものでした。
デジタル技術を活用し主に会員企業の中の従業員向けオンライン・オフラインでの教育の充実と拡大をおこなっていますが、今回は海外展示会の生の声を現場から実際に発信を実施。
会員向けに出展企業にインタビューをする様子を発信し、実際に出展するということの大変さもあればメリットもリアルに聞けるという試みです。今後は海外のいくつかの都市に特派員をおいての情報発信を続けていく予定とのこと。
Neg 日本電気硝子は、事業は元々はNECのガラス部門としてテレビのブラウン管時代から始まる老舗。社名の変更は2015年から、より親しみやすくかつ覚えやすいということで現在の通称を海外向けに取り入れました。日本の会社の名称は発音しづらい、覚えにくいことも
ガラスとガラスをつなげる特殊なパウダーガラス、半導体を作るときに必要な屈折率が高く真っ平なガラスなど、業界の中でもかなりニッチかつ技術力が問われる製品を展開しています。
2019年に欧州での活動を本格的に始めたが、コロナ禍によって一時出展や海外での活動が物理的にはストップ。 しかし2020年から上手にリスティング広告などオンラインでの認知向上のための活動をおこない、そして世界的なオンラインでのミーティングが常識化(ある種の対面でないと信頼できないというような風習も変わってきた)したことで、チャンスを得ることができたとのこと。
製品の技術力の高さと信頼性は前提条件として必要だが、逆境をうまく使い、活動を止めないということは、定期的に露出を続けることで認知度が高まっていく(社の安定感と信頼感も増す)ことでもあると思います。
大貫工業所 も欧州での活動に力を入れています。工場や企業が必要とする製品をいかに希望通りかつ性能を最も出せる形に作り出す、ニーズに合わせた商品づくりをおこなっています。
このようなニーズに合わせた製品は必要な反面、実はは作れる(製造してくれる)製作所も少なく、かつ発注数の問題もあり(納得はいってなくても)代わりの商品を我慢して使っている現場も多くありません。
コロナ禍で逆境も変化もあったが、やはり良い商談が出来る場としてプロダクトロニカに続けて出展しているとのこと。既存顧客との関係性も続き、またそれにつられて(というわけではないですが、良い噂や雰囲気は意外と察せられて)新規顧客との商談も発生するのでしょう。
海外の展示会を効率よくかつ上手に使いこなす日系企業も規模を問わず増えつつあります。円安の問題もありますが、逆に言えば売り込みやすい時期でもあるのかもしれません。
次回も多くの日系企業の出展を目にすることができると信じています!
ドイツの見本市での良い点は各ホールにテーマに沿ったフォーラム・カンファレンスやセミナー会場がある点。誰でも参加できるので、一期一会的な興味深いセミナーに出会えることがあるのも魅力。
会場の中庭にあった二階建てのトラック(イノベーション・トラック)中には研究結果やイノベーションを感じられる動画や装置などがある。短剣気分で中に入れて楽しい反面、装置が動かないものもあって残念。
弊社では、欧州の見本市でのビジネスマナーについての事前オンラインセミナーから、各種印刷物の作成・搬送手配、ノベルティ の作成などもサポート致します。
見本市・展示会に関連したサポートが必要な際には、こちらのフォームからお気軽にご相談ください。