ドイツで働き始めて、幾年が過ぎただろう・・・
という位にはドイツで仕事をしていますが、未だに驚かされることが沢山あるドイツ。
日本の常識は通用せず、義理人情もないのか・・・と思ったら、意外にフレンドリー&親切。 職業柄、特に印刷所で働くドイツ人(とドイツの印刷所で働く人々)と良く出会うので、良い意味でポジティブ思考すぎて驚いたことを3つピックアップしてみました。
時々お客様から言われる 「発注したのより多めに作ってくれてありがとう」
どうやら印刷というのは機械に頼るところが多く、どうしても時々ミスが出たりします。
そのミスをうまくカバーするのが人の技術の見せ所ですが、数百枚作るとどうしても数枚は汚れがあったり、少し斜めになったりしてしまうとのこと。
そのため、クレームを避けるために少し多めに作るそうですが(オフセット印刷の場合)あまりに多いと迷惑じゃないかな・・・と思い、印刷所に「十枚程度のプラスはいいけど、数十枚も違うのはどうでしょうか? 逆に迷惑じゃないかな?」と尋ねたところ
「ちょっと多めでいいじゃない。 要らなかったら捨てればいいのよ!」
印刷所の方がどっちかというと損してる感じなので深くはツッコミませんが、そんな理由で時々発注数より多めに商品が届きますが、それはミスでも、こちらが多めに発注した訳でもありません。
とはいえ、多めにくるのを見込んでいたら、実際の注文数しか来なかった・・・ということももちろんあるのでご注意を! 日本と違って、行動が読めない印刷所・・・適当だと思ったら、きめ細やかな対応をしたりするので大変。 ドイツで働く毎日はスリリングです。
ドイツでかなりの頻度で起こること。
同じような商品に対しての質問・見積もりを出してもらうことを短い期間で繰り返すと、結構な確率でミスが起こります。
例えば、
ポストカードを作るよ! →
やっぱり変形ポストカードにするね! →
グロス加工かマット加工ってできる? →
最終的に発注は変形ポストカードで加工なしにして!
出来上がってくるのは、5%くらいの割合で加工が勝手に入った変形ポストカードです。
一応ドイツ人的には、やりたくもないのに問い合わせはしてこないだろう(加工がしたいから問い合わせてくるはずだ)という前提で考えているから、こういう事が起こりやすいそう。
日本人的な、「いろいろな可能性と料金の違いを聞いてから、最終決定を出したい」という考え方がそもそも理解されにくいところから生じるミスの様です。
然してミスはミス。 依頼主に確認して、加工は無しの方がいいです、と言われた場合は加工無しのものを作り直しになります。 しかし、ここはドイツ。 印刷所のミスで納期が過ぎていようとも、いろんなパターンを経験することができます。
「作り直し? じゃあ、また費用がかかるからね!(ミスした分と新しく制作した分)」
「問い合わせもしてたんだし、加工代金分だけは無料にしてあげるからそのまま使って?(作り直しする気ほとんど無し・割引交渉には応じる時もあり)」
おととい出直してこい、もしくは、面の皮の厚さを削いでから話せ、と思ったりしますが、こういう印刷所は決して少なくありません。
「誰だってミスすることはあるけど私たちは親切だから、作り直してあげるわ! だからまた依頼してね❤︎(作り直しする・割引はしない)」
最初に聞いた時は「ミスった分際でどの口が言うのか」とあきれたものの、ドイツの印刷所と付き合いが長くなるにつれ「本当だ〜親切だ〜」と思うようになってしまいました。 ドイツおそろしい。
ちなみに、弊社で印刷をお願いしている印刷所はミスがあった場合はきちんと謝ってくれる上に、文句を言う前に超最優先順位で作り直し&納品してくれます。 当然、印刷所によるミスの場合はいかなる場合も、作り直しに対する費用は発生しません。 でも納品が数日遅れることに対しての割引はやっぱりありません。
確かに人間はミスする生きものですが、「ミスしちゃったら後の対応で挽回するのよ」と開き直って言われると、「許すまじ」と思ってしまうのは私がまだまだだからでしょうか? ドイツ人はいつだって(自分に)ポジティブ・・・。
ところでミスした印刷物の処分方法はどうなるのか?というと、普通なら回収・こちらで廃棄が日本なら普通?かなと思いますが、やっぱりここはドイツ。
「どうせ使いまわせないし回収費用も無駄になるし、クライアント側が(廃棄でも、利用でも)好きに決めていいよ! もしかしたらミスした商品の方を気に入るかもしれないわね〜」
こちらとしては、ご迷惑をかけたお詫びの足しにでもなれば嬉しいんですが(もちろん不要な場合や廃棄に困る場合は、回収に伺います)印刷所はそれでいいのか?
自分のミスもポジティブに受け止める(? いや、受け止めさせようとする ?)発言に、ちょっとびっくりしつつも 「ミスしなかったら、もっと気に入られて発注増えると思うよー!」と応戦してます。
では、単価がそこまで高くない商品ならともかく、高額なノベルティ制作でミスが起こった場合はどうするのか?
以前に納品された商品で色が全然違うとクレームを出したら、まさかの
「間違えて発注しちゃったし、クライアントに3割引きで引き取ってくれるか聞いてみて。 お買い得よ!」
というセリフ。 日本ではきっとありえない。
しかし、(結構無理してかなり)好意的な目線で見ると、
という合理的思考の元に、こう言った代替え案はよくあることのようです。 ちなみに、高額商品の場合、絶対作り直し!となった場合は、間違えて制作したものは回収するとのことです。(幸いまだ高額商品の作り直しミスはないので実際はわかりませんが、未経験のままでいたいです)
3選っていうよりも、3戦という感じに毎日がアウェー戦。 弊社は日々ドイツの印刷所や工房と戦いながらも、絆を深めております。
ちなみに弊社では紙媒体の印刷物からノベルティグッズ制作、オリジナルロゴ入り商品製作まで承っております。 基本的に作れないものはほぼありません、という位に幅広く対応しております。
心穏やかにドイツで何か製作したい時など、ご用命の際にはお気軽にご相談くださいませ!