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IFAT 2024 国際上下水処理・廃棄物処理・再資源化技術専門見本市

IFAT – MUNICH 2024
国際上下水処理・廃棄物処理・再資源化技術専門見本市

開催期間 2024年05月13日〜5月17日 (09:00〜18:00/最終日のみ16:00)
場所 ドイツ・ミュンヘン ICM 会場
開催周期 2年毎に開催
WEB https://www.ifat.de
特記 次回開催は2026年05月04日〜08日

 

前回の2022年度は出展社数は59の国と地域から2984社、来場者総数は155の国と地域から119,000人、半数はドイツ国外からの来場を記録、多くのセミナーなどが行われました。

参考・引用元:IFAT 公式HP

数字で見るIFAT

今年も前回の2022年と変わらずホール数は AからCまで全てのホールを使用した18ホール+屋外ライブスペース。 また、今回も真夏のような日差しで暑いくらいの気温の中、屋外ライブスペースも盛り上がっていました。

出展社数は61の国と地域から3211社、来場者総数は約170の国と地域から142,000人が来場し、前回を大きく上回る記録を達成しました。 世界各国だけでなく、ドイツからは州ごとの大小のパビリオンも出展、ジャパンパビリオンも出展していました。

気候変動の影響への対応

今回のIFATのメインテーマは「気候変動の影響への対応」でした。気候保護措置を講じることに加え、変動による生じている極端な気象現象に対して自然、社会、経済システムの適応性を高め、その脆弱性を減らすことを目指しています。

国際的な水産業および廃水産業が行動できる具体的な行動分野は、「水の安全性」を高めること。水を再利用して貯蔵し、地下水資源を保護し、更新し、水使用計画を策定するために、効果的で持続可能な解決策を講じる一方、洪水防止、都市や自治体の適応構造変革と開発、そして発生した洪水に対する措置などへの支援です。

サブテーマは以下の12点になります。

  1. 「水産業におけるデジタル化」センサーデータから高負荷ポンプの故障を予測、人工知能による水消費量予測とプラント運用の最適化など
  2. 「上下水道システムの管理」光学音響検査システムによる飲料水パイプの気密性チェックなど
  3. 「給水と再利用」海水淡水化のコスト削減、水漏れを迅速に特定して修正できるツールなど
  4. 「廃水輸送と処理」すべて処理ステップでエネルギー効率を高める、広範な拡張下水道ネットワークにおける手頃な価格の改修コンセプトの開発と実装など
  5. 「エネルギー効率が高く持続可能な水管理」下水処理場と水道のエネルギー効率向上など
  6. 「水の管理」気候危機に対処可能なインフラと都市開発など
  7. 「自治体技術と廃棄物管理のデジタル化」廃棄物処理や予知保全へのモノのインターネット(IoT)の使用など
  8. 「自治体工学と廃棄物管理におけるロジスティクスとモビリティ」低排出、静かで、環境に優しく、まだ運用上安全 な廃棄物収集をIoTや予測分析で実現など
  9. 「マテリアルフロー管理」天然資源保全のための、材料リサイクルプロセスから化学処理プロセス、熱使用など
  10. 「革新的で効率的な廃棄物およびリサイクル管理」ソートプロセス改善やデジタル化による効率化、生物学的および化学的リサイクルなど
  11. 「排気浄化と大気汚染防止」プロセスの監視と制御の改善を可能にするインテリジェントセンサーとネットワークシステムの使用など
  12. 「循環型経済における水素」排水処理、廃棄物から生まれるエネルギーの利用と水素生成など

オープニングで、スピーチを行ったドイツの環境大臣Steffi Lemkeの言葉が、ifatの目指すこれからの目標を指し示しています。

「循環型経済が適切に機能すれば、一次資源を節約し、依存度を減らし、気候や生物多様性の保護に大きく貢献することができます。私の政策は、循環型経済のあらゆる段階での強化を支援し、環境保護を魅力的なビジネスモデルにすることを目的としています。」

Digitalization in the water industry

ドイツだけでなく世界中で、そして水産業だけでなく様々な業界で課題とされるホットなトピックのデジタル化。

サブテーマ1にもある水産業におけるデジタル化にあるように、大切な課題として水産業のデジタル化のため、現在の最善の方法や最良の事例をDigital twinを含めて Die Deutsche Vereinigung für Wasserwirtschaft, Abwasser und Abfall (ドイツ語だととても長いので略してDWA)がスポットエリアを提供していました。

インターナショナルな出展

日本からの一角

複数の国がクラスタごとに複数のパビリオンを出していましたが、今回もトルコからのパビリオンの鮮やかなブルーの看板、各クラスタにおける存在感と前回の印象が強かったせいもありますが、業界でのトルコの立ち位置をもう少し詳しく学んでから参加すればよかったと・・・次回2年後の課題としたいと思います。

オランダはオレンジ色がテーマカラー

州なのかオランダなのか

オランダは2020年からブランディングの一環で「Holland」の使用を制限(停止)して、Netherlandsに切り替えていく というような宣言を政府がしていましたが、いまだ見かける「Holland」。 本来は、北ホラント州(首都アムステルダム)と南ホラント州(ロッテルダムやハーグなどを含む)の2州を意味する名前だったそうです。

どちらもオランダパビリオンなのか、オランダと州で分かれているのか、聞いてみたいけど聞きづらいような気がして、毎回聞けずにいます・・・。

中国も戻りつつあるが、少し控えめな印象。

デンマークも

ピックアップ 日本からの出展企業

日本からの

IFATには、日本からも多くの企業が出展しています。その中から、汚水処理技術を紹介している企業を数社、訪問してお話しを伺いました。

限られた資源である水を、どのように処理し再利用につなげるか、サスティナブルな視点と高度な技術、展開する国や地域での事情や法規制への理解が求められる、将来的にますます意味を持つと予想される、重要な技術です。

MITSUBISHI Chemical Aqua Solutions

非常にわかりやすく、的確な説明

三菱ケミカル・アクアソリューションズ株式会社は、メッセ・ミュンヘン・ジャパンが「water and water treatment section」にコーディネートしたジャパン・パビリオンにブースを構えていました。

メインの展示は、「MBR(膜分離活性汚泥法)」で、0.1〜0.05ミクロンの穴のある中空糸(ストロー状の糸)を使って製造された膜を利用し、汚泥と処理水を分離する技術です。従来の、沈殿槽を使用する標準活性汚泥法と比較して、処理工程が1ステップ減るため最大約50%の省スペースにつながり、また、処理水に必要とされるバクテリアを4倍に増強でき処理能力が向上するため、排水を飲み水にも使用できる品質にまで処理できる技術です。

中空糸の目詰まりチェックのため圧力管理が必要ですが、沈殿槽を使わないため、専門的な経験と知識が必要とされる沈殿槽管理の手間を省くことができるなど、省マンパワーでコスト削減にもつながるとのこと。人手不足が課題となっている時代に合った技術でもあります。

IFATには2016年から出展していて、ヨーロッパ市場および中東、アフリカも視野に入れた市場展開を行なっているとのこと。このタイプの分離法の使用は、従来法の約5%に止まるとのことで、まだまだ伸び代のある製品と見られます。

KENDENSHA

ロゴのねこちゃんが人気です

島根県出雲市から出展する株式会社 研電社。メインの展示は、独自技術で実現した「楕円板型固液分離装置(KDS Separator)」で、一般的に工場排水処理・畜産施設汚泥処理、そして産業排水処理等のし渣除去・汚泥濃縮、汚泥脱水に用いる設備です。

固形物を含んだ汚水をスリットセーバー上に流すことで、スリットセーバーの上に固形物を、下に汚水を分離させる方式です。独自のセルフクリーニング機能でスリットセーバーの目詰まりが発生しないため、洗浄が不要。

洗浄水の節約と、洗浄水処理の節約、そして人手の節約にもつながる技術です。また、固形物の脱水に必要とされる電力を約5分の1から10分の1に節約できます。主な販売用途である畜産農場(養豚)場のし尿処理では処理済み堆肥の省スペース化につながり、食品加工工場の大豆や茶のカスの処理では、処理済み液体はメタンガス発酵へ、そして固体は焼却炉の燃料へとリサイクル可能だという利点もあります。

2002年から、すでに1300台以上を販売していて、主な市場は日本ですが、イタリア・スペインなどの欧州各国をはじめ、ベトナムやタイなど世界中に販売活動を展開しています。

IFATへの出展は2018年に続き2回目で、ドイツなどでバイオマス処理などの導入が増えているため、将来性を見込んでいるのが出展理由のひとつです。日本と比較して、外国では、例えば養豚場などの処理規模が大きいと感じられているため、規模に応じて製品ラインナップの中から最適な組み合わせのソリューションを提案するとのことです。

Tangsk

日本からの出展社が増えることは良い印象に繋がる

株式会社タンスクは、「生物学的ターンテーブル・システム(Biologicalturntable system) 」と「ARBシステム処理能力 バイオコード(ARB system processing capability BIO CORD)」をメインに出展。

「生物学的ターンテーブル・システム」は、効率的な複合細菌菌株を使用し、アンモニアとリンの除去効率50~70%以上を達成、高濃度の微生物の利用で高濃度廃水の処理が可能です。また、処理槽容積は3分の1に、BOD除去率は70~80%以上、運転コストと残余沈積物量は従来比で大幅削減できます。この技術は、鎮江大学との産学共同研究によって開発された効率的で省エネルギーな新しい総合汚水処理システムです。

「ARBシステム処理能力 バイオコード」は、微細繊維をシュニール織にした糸で、より多くの微生物を効率よく付着、汚水の生物処理効率を向上させます。また、コードバイオマスキャリア設計でコードの目詰まりの可能性をなくしています。主な用途は、食品・化学工業廃水の生物学的処理の機能強化などとのことです。

Techno Takatsuki

シンプルですが美しいブース

株式会社テクノ高槻は、「エアーポンプ電磁式ダイヤフラム」をメインに出展。1947年に日本で初めて電磁式ダイヤフラム方式を開発した、パイオニア企業です。欧州では20年ほど前から活動していて、ドイツ市場でも成長段階にあるとのことです。

エアーポンプは、下水道が通っていない地域での排水処理のための浄化槽などに使用される製品で、戸建て向けおよび集合住宅向けなど、小規模な浄化槽での使用を目的としています。ドイツでの下水道普及率は約90%ということで、このネットワークから外れている地域の汚水浄化に使われています。

欧州ではフランスとスペインに販社をもち、これからまだ伸び代があると見ていますが、海外でのメインの販売先は米国とのこと。東欧やアフリカなど下水道普及率が低い国に、よりチャンスがありそうに思いますが、排水に対する法規制が整っていないため、一般的に排水処理に対する意識が低く、市場としてはまだ未成熟だということです。

出展企業の目は、ドイツだけではなく、欧州を一つの足場としてさらに東欧、中東、アフリカへと広く向けられていることが感じられたブース訪問でした。

生きるのに欠かせない水には、マイクロプラスティックなどによる汚染や、温暖化などの環境変化による旱魃、集中豪雨など、多くの課題があります。専門家による知見や技術の進歩に期待するとともに、自分ができることには何があるかを意識することの必要性についても思いをめぐらす機会になりました。

画像で見るIFAT

大きなブースが多いIFAT。天井吊りの効果は高い

メッセミュンヘンに前回も招聘され好評を博したリサイクル素材を使ってアートを作るアーティスト Danielle Vochims の作品展示。

新作も発表されていた

ビジュアルも水らしい製品にしていることが多い

日本から持ち込んだそうです、EBARA Pumps Europe

前回は清掃車がほとんど100%(もしくはハイブリッド)エレクトリック車でしたが、エネルギーの供給が気になるところ。

IFATはキャラ設定?を儲けている会社が結構ありますが、サメが空を飛ぶのは斬新かもしれません。

ジョーズ(映画)の印象が強いからですが、いつも口を大きく開けているイメージ

Tsurumi Pump社は今年100周年記念

世界中の最先端トレンドのゴミ箱・リサイクルボックスは個人的には毎回楽しみにしています。センスを求めるべきか、利便性のみを追求すべきか。

ドイツ進出をお手伝いします〜市場調査から出展支援まで

弊社ではドイツ国内の水産業、上下水処理・廃棄物処理・再資源化技術についての市場調査のご依頼も承っております。業界に関連する展示会や見本市に合わせて各社へのインタビューなども行なっております。(日独双方向)

市場調査へのお問い合わせ、また、名刺、カタログ、パネルなどの印刷物からノベルティグッズ制作はもちろん、企業のドイツでのメッセの出展準備・ブース設営からアフターフォローまでサポート致します。 各種サポートが必要な時、お気軽にご相談ください。

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