開催期間 | 2017年09月11日〜15日 (9:00〜18:00/最終日のみ17:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 4年に1回開催 |
WEB | https://www.drinktec.com |
特記 | 同時開催: oils+fats: trade fair of the oils and fats industry SIMEI: world’s leading trade fair for wine technology PRO FachHANDEL: Leading trade fair for German beverage and convenience retailers |
各種製造加工プラント・機器はもちろんのこと、充填・衛生技術、原材料・フレーバー、飲料容器、貯蔵・運搬、リサイクルに至るまで、飲料・液状食品業界を包括する最新技術・製品が勢ぞろいする、飲料・液状食品技術専門見本市『drinktec』
前回2013年度は132,000㎡に76ヶ国から1,400社が出展、183ヶ国から67,000人が来場し成功裏に終了。 61%がドイツ国外からの来場者でdrinktecは業界で最も需要な国際プラットフォームだと証明されました。
参考・引用元:メッセ・ミュンヘン日本代表部 HP内 drinktec2017
画像:drinktec 2017
画像:drinktec 2017 会場は全てで9ホール!
オリンピックと同じく・・・長いようで短い、短いようで長かった、待ちに待った専門見本市。 前回2013年は、76ヶ国から1,400社が出展、183ヶ国から67,000人が来場。
今年はついに76000人も来場するという偉業を達成! 出展側も80カ国から1749社が出展するという快挙を達成しました。
Drinktec – ドリンクテックは1951年から行われ、1985年からはミュンヘンで4年に1回の定期開催となりました。 世界中の飲料・液状食品のサプライヤーから関連企業、生産者、流通業者までが一堂に集まり、最新技術と製品を披露します。 この関連企業には全ての種類の液体食品原材料から、充填技術・機械、品質コントロール、パッケージングまで、飲料・液状食品の制作・販売に関わる全てが含まれています。 4年毎に行われる貴重な見本市のため、出展者側の気合の入り方も、来場者の期待もかなり高い見本市です。
画像:王冠からパッケージ、ペットボトルそのものから、運ぶためのパッケージングまで全て!
画像:会場内には興味深い商品・製品と新しい技術がたくさん、ブース作りも力が入っています
来場者のうち60パーセント以上はドイツ国外からのためか、共通言語がほぼ英語。 また、今年は日本からの出展者・来場者も多かったようです。 ちなみに、ドリンクテックは2017年10月にインド(Drink technology )、2018年9月にアフリカ(Food and Drink technology )でも行われます。
画像:SIMEI 会場内様子とConference room、ワインの試飲風景
同時開催のSIMEIは、ワイン技術の世界有数の見本市です。 本来のSIMEIは1963年以来ミラノで開催されていましたが、Messe Münchenとの契約後、イタリアとミュンヘンの間で交互に2年毎に開催されるようになりました。(本家ミラノでの開催は2年後)
ワインの生産と加工のためのあらゆる種類の機械設備やパッケージングソリューションが含まれています。 イタリアのワインの試飲などもあり、ブドウの生産者からワイン醸造者までが世界各国より集まりました。
特筆すべきは、イタリア政府は実際にイタリアの機械設備を見てもらって購入を促すため、メキシコなどのワイン醸造者をSIMEIに招待するほど重要視している点。 見本市を積極的に商談の場として国が主導して勧めている見本市。 やはり力の入り方が違っています。
ドリンクテックでは商品自体をどうやって興味深く見せるか?にこだわったブースが多くありました。 取り扱う製品が目に見え辛い、わかりにくい、例えば飲料の味を提供する会社の場合は、色々なテイストを実際に味わってもらい、「このようにパッケージして、このように売り出すことも可能です」 という製品化した形のサンプルを見せることで、商品への理解と興味を深めてもらえるように工夫をしているようです。
例えば、この会社は商品コントロールをする機械を作る会社です。 見せ方に一手間加える事でより多くの来場者が足を止め、興味を持った技術者や見込み客との会話を弾ませることを目的にしているそうです。
ちなみにこの会社の主力製品は、部品と部品をつなぐ「プラスチック部分のみ」です。 アプリケーションも、システムも、機械も全く作ってません。
ここは、素敵なマダムがブレッツェルやお茶、りんごを売る会社・・・ではありません。 機械にクロームを滑らかに貼り付ける技術と機械なんかの会社です。 ロゴでもあるサイは一応自社のコンセプトに合った頑丈さとその幾何学的なフォームがマッチしている為、また絶滅危惧種であるサイのために、売り上げの一部を支援金として募金しているそうです。 本来の製品見本よりもマダムとサイが目立ちすぎるブースになっています・・・が、全然ブース装飾が凝ってないのに(失礼)チープ感を出さず、且つ、話しかけたくなる雰囲気が素晴らしいブースでした。
ここまで前面に出しているところは少ないですが、「売り上げの〇〇%を××に寄付(支援)しています」というドイツの会社は多いような気もします。
こんな感じで、ドリンクテックではいつも以上に 「ところで、何を作ってる会社?」と質問することが多くありました。
画像:特別スペースや各企業ブース内での独自の説明会、シンポジウム、セミナー色々!
フォーラムやセミナースペースでのセミナーから、各ブースで独自に行われるセミナーまで、それぞれとても興味深い内容のセミナーが開催されていました。
特に今回は会場内ネットワーキング・プラットフォームで行われたPlace2beer、クラフトビールのEuropean Beer Star 2017のティスティング・優勝者の発表なども行われたため、クラフトビール関連の興味深いセミナーも多く行われました。
画像:DuPontブース内 興味深いビールに関係するセミナーが行われていた
このブースではビールにまつわる様々なミニセミナーが毎日いくつか行われていました。 諸々の都合で聞けたのがこのセミナー「Beer & Woman」by Cilene Saorin。 アフリカなどこれからビール業が発展していきそうな所のお話など、興味深いテーマが充実していました。
会場内の雑音なども多いため、専用のイヤフォンを用意しているところがとても親切な対応でした。 こういう心配りがあると、最後まできちんと集中して聴講できます。
画像:いくつかあったセミナーの中の一つ Water Technology Symposium
飲料業界では欠かせない要素の一つ、水。 「水」というテーマに沿って行われた Water technology シンポジウム。 いくつか聴講した中で、特に興味深かったのが、最新技術のフィルターを使って最大65%まで汚水(廃水)を減少させることができるか?
見本市で行われるセミナーやシンポジウムは、専門業界の最新技術を取り扱うため内容がとても難しいことがほとんどですが、とてもわかりやすく説明される時もあります。 今回の水にまつわるシンポジウムは、丁寧な説明と十分なビジュアル化されたグラフや状況説明がなされ、お手本としたいプレゼンテーションでした。
しかし、今回のベスト オブ セミナーはこちら。 来場者参加型のセミナーで、司会が話す内容を後ろのボードにイラストレーターがビジュアル化して、楽しませてくれます。 来場者の意見を取り入れたアイデアを手書きイラストでパッケージ化して数時間後に実物を見せてくれたりもしました。 参加することで企画の一員になったような気分になり、ここの商品は今度買ってみようかな、と思わずにはいられないワクワク感。 実際に取引先になることはなくても、消費者の目線からも印象に残る良いプレゼン手段でした。
画像:その他にもビールコンテストのティスティングなどイベント盛り沢山
ドリンクテックでは凝ったブース作りが多く、どこの企業も全精力を費やしているかのような意気込みでしたが、一番気合が入っていたのはKrones AG。 自社・子会社・関連会社で1ホールをKrones ワールドに。 各国のエキスパートと話せるように、インフォメーションを設置。 リフレッシュメントコーナーではドリンクを提供、オープンスペースで打ち合わせもOK、がっつり個室で商談もOK。
画像:中国は独立したインフォコーナーに。日本はASIA/PACIFIに含まれていたのは少し寂しい・・・
ホール内にはヒュッテ(小屋)を設営し、商談や取引先、自社社員の社員食堂?として使える臨時レストランまで! 本物レストランよりももしかしたら豪華すぎるメニュー。
画像:Krones Alm 関係者や招待券があれば入れます。 中もきちんと木の床張りでまるでオクトーバーフェスト会場
ドリンクテックのおもてなし食材はどこもかなりのハイレベルでしたが(後述の恒例のおもてなし参照)、まさかの3コースメニューが出てくるとは・・・。とても美味しかったです、ごちそうさまでした。
4年に1度だから、そして、取引先や関係者に感謝の気持ちとゆったりした気持ちで見本市を楽しんでもらいたいからの気持ちの表れだとKronesの社員さん談。 技術や商品を見せるだけではなくて、自社の雰囲気も見てもらうという気持ちもあるようです。
これが面白かった!という商品がいくつかありますが、私的に気になったのが飲料ボトルのフタの多様性。 特に外でビール瓶片手にフラフラする人が多いからか・・はわかりませんが、ボトルの王冠を栓抜きなしで開けられるものが多かったように思います。
画像:少々力がいるので、改良の余地はあるが発想は面白い!The TNN Evelopment Ltd
缶に専用フタを取り付けることで飲み口がいつでも清潔に。 ビーチやホコリなどゴミの多い場所で使えば、砂・汚れがつかずにいつでも清潔に飲めるかな?という点がポイント。 さらに、プルタブを開けた後でもフタを閉めれば水分が漏れ出てこない優れもの。
画像:缶に最初から取り付けてあるバージョンと、取り外し可能Ver.あり! Reset World
フタ・シリーズの中で、最も優れていたのがこれ。 プルタブを改良して自由に開閉可能・小さい部分を上にあげて、ずらして飲む→ また元に戻して蓋をすれば、炭酸でも開けてから24時間近くほぼ炭酸ガスを失わない密閉力。 開けやすさも程よく、今後スーパーで見かける日も近いような気がします。
画像:フタ部分の変更のみなので、どんな飲料にも合わせられる Xolution
そのほかは、レストランや小さなパーティー会場などでも使えそうなミニビアサーバー。 中に氷を入れる柱?があるバージョン(画像手前)はずっと冷えた一杯を楽しめるとか。 お金持ちのご家庭になら有りそう?
画像:自社でパーティーが多い時は一台購入も良いかも TRITON
「インスタ映え」とか使うまいと思ってましたが、使わざるをえない・・・このインスタ映えしそうな商品。(残念なカメラマンが撮影しても魅力的・・・?) ミニ・ドライアイスを作る機械とそれをセットしてドリンクで使える商品。 数年前にも違う会社から似た感じの商品は出ていましたが、機械が小型で製造しやすく変圧器不要な点が改良点?
画像:小さい時に遊んだドライアイスの思い出が蘇る・・・ SVISO
醸造タンクといえば、メタルやクロムの輝きが美しい・・・ですが、毎日同じものを見ているのも飽きませんか? どうせなら何か楽しい柄にしちゃいません? というアイデアで作られたという中国の柄付きタンク。 なんとなく、ドイツなら最近のクラフトビールブームにも乗っかって、若者たちがグラフィティ風な絵柄のついたものとか作りそう?と予想したり・・・。(すでにあったら、見てみたい!)
画像:全部同じではつまらないという発想と、絵柄が良き時代の中国ですごく好きです Hande equipment
この業界のノベルティグッズで目立ったのは、エコバッグの種類の豊富さ。 取り扱う製品にプラスチックなども多いので、布素材ではなく、ポリプロピレン系防水バッグが多くありました。
ドリンクテック(飲料関係の見本市)だけあって、各種お試しドリンク系も多く、ペットボトルひとつ取っても色々な大きさ・形があることにビックリ!ですが、重いのでその場で飲んだり眺めたり。
また、取り扱う製品にちなんだイメージのものもあれば、「お堅いメタル系の業種だから敢えて可愛くぬいぐるみ系にしたよ!」という意見もあり、不思議と小さなぬいぐるみ系も多く見られたのが印象的でした。
今回の見本市でよく見かけた風景は「ビール(ワイングラス)で乾杯!」からの打ち合わせや商談シーンです。 ビールやワインの試飲もありましたが、どこのブースでもちょっとビジネスな話が始まると、ビール。 そして、オクトーバーフェストの開催直前(今年は見本市終了の翌日からオクトーバーフェストでした)だったからか、ビールブースに合わせたのか、ブレッツェルの出番もいつも以上に高かった・・・気がします。
画像:Hopsteinerの新作ホップのビール 挑戦したかったLemondropホップがなかったのが残念 Hopsteiner
食品系は定番のバラマキ系プチ・スイーツや手軽なパンケーキ系ももちろん多くありましたが、ドリンクテックではしっかりとしたお食事系が多かった印象があります。 注文形式の場合もあれば、ビュッフェ?と勘違いしてしまいそうなシェフ付き豪華メニューなブースも多数存在。
個人的には、ドイツでも入手しやすくなってきた人気のミニおむすびとお茶の「日本のプチ行楽セット」PR大作戦を提案したいと思います。 どこかのブースで見かけたら嬉しいです。
画像:ここはバーですか?レストランですか? というような雰囲気も。 基本的にビールなどアルコールの提供も多い
見本市によって、またその年のトレンドの違いなどもあるようですが、食品にもカラフル・オシャレが流行っているのかもしれません。(やっぱりここでもインスタ映え・・・?
必ず合わせる必要はないかもしれませんが、他社の動向を知っておくことは大事なこと、出展の予定がある場合は一度目当ての見本市を調べておくことも大事です。
画像:大きな製造機器から美しい醸造タンクなど普段縁のないものが見えるのが楽しい
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