開催期間 | 2025年06月24日〜27日 (09:00〜17:00/最終日のみ16:00) |
場所 | ドイツ・新ミュンヘン国際見本市会場 |
開催周期 | 隔年開催 |
WEB | https://world-of-photonics.com/index.html |
特記 | 次回の予定:2027年6月24日〜27日 同時開催:automatica |
LASER WORLD OF PHOTONICSは、世界のレーザーおよびフォトニクス業界にとって最も重要な市場であり、最も建設的なシンクタンクです。
参考・引用元:JETRO / LASER World of PHOTONICS 2023
オレンジがAUTOMATICA 緑はLASER、青はQUANTUM
A1 | World of Quantum 量子の世界 研究発表やカンファレンス、セミナーの開催 |
A2 | Laser and optoelectronics, integrated photonics,optical information and communication レーザーとオプトエレクトロニクス、統合フォトニクス、オプティカル(光)情報と通信 |
A3 | Laser and laser systems for production engineering, sensors, test and measurement, optical measurement systems, imaging 生産エンジニアリング、光学測定システム、センサー、テストと測定、光学測定システム、イメージング |
B1 | Optics, manufacturing technology for optics 光学 製造技術 |
B2 | Lasers and Optoelectronics, biophotonics and medical engineering レーザーとオプトエレクトロニクス,バイオフォトニクスと医療工学 |
B3 | Laser and laser systems for production engineering 生産エンジニアリング、 |
ICM | World of Photonics Congress |
Laser 2000
前回開催時に50周年を迎えた当展示会は、今年も前回に引き続き、World of Quantum(1ホール)と、automaticaと同時開催となりました。
*automatica の公開レポートはこちら
同時開催のWorld of Quantum
Qantumホールの様子
同時開催のautomaticaとの同時開催の成功を大々的にアピールし、その成果を発表。
Photonics Meets Robotics: AI success Stories
41カ国から出展社数1,398社、過去最高記録を樹立。来場者は約44,000人を記録。前回よりもさらに4000人を超える記録を達成しています。
海外からの来場者数は57%と半数以上を占め、開催国ドイツに次ぐ来場者数上位国は、順にイギリスおよび北アイルランド、フランス、イタリア、中国、スイス、アメリカ、日本、オーストリア・・・となり、日本は上位8位となりました。
同時開催されたWorld of Photonics Congressには、2人のノーベル賞受賞者、Prof. Anne L’Huillier (アンヌ・ルイリエ教授)とProf. Ferenc Krausz(フェレンツ・クラウス教授)が講演し、業界のトップ研究者が集まりその知見を共有し、議論することで、新たな発見や発展に繋げられていくであろう貴重な6日間となりました。
なお6日間で行われた科学発表とポスターセッションは3,000件近く、フォトニクスに関連するあらゆる業界の研究者や事業者にとって見逃せない展示会と言えるでしょう。
厳しい経済状況が続くと見られていますが、多くのハイテク産業を支える土台であり、骨組みであるフォトニクス市場に限っては今後成長が見込めるだろうと専門家は予想しています。
Japan Pavilionの様子
LASER World of PHOTONICS は、日本からの出展、日系企業(の各国の駐在拠点や支社)の出展が多い展示会としても有名です。今期も、メッセミュンヘン日本代表部が主催するジャパンパビリオンが設置され、実に25社の出展を記録。過去最多出展社数のレコード更新となりました。
限られたブース枠のため、人気も高く、キャンセル待ちが発生したそうです。もし、次回、2027年にジャパンパビリオンで出展を希望する企業の皆様は、早めの申込みをおすすめします。
今回ジェトロは、セントラルジャパンという枠組みの中からジャパンパビリオンの1枠として出展。
ジェトロ浜松・ジェトロ名古屋が含まれるCentral Japanのなかから、研究機関や大企業、中小企業、そしてスタートアップの企業を選んで、ドイツ企業との交流と商業的な交流を支援しています。
浜松ホトニクスブース
浜松市がフォトニクス、光産業関連企業・研究機関が多い背景やその歴史について、光産業分野のスペシャリストの株式会社TAKシステムイニシアティブ代表の瀧口氏にお話をお聞きしました。
20年ほど前から浜松市とイエナ市の交流事業が始まりで、イエナ市にある光分野のOptoNet e.V. – Jena (光学およびフォトニクスの主要業界団体)との連携を行っています。15〜6年前からチューリンゲン州との共同開発の定型・協定を結び、また海外とのビジネス連携なども浜松市が支援している背景があります。2017年からはフォトンバレーセンターが設立され、よりいっそうの光産業に関する産官学連携が浜松で推進されています。しっかりと交流を結び、海外企業との連携だけでなく商業的な成果も目指していく取り組みが行われています、とのこと。
今回ジェトロブースで出展しているスタートアップの2社。
スタートアップ企業は公募から選ばれ、今回は、光分野のなかでも、ドイツということで製造業により近く、また海外市場への進出を目指しているという点などを重視されています。今後も地域に根付いた企業の安定した成長、そして若い世代やスタートアップ企業の育成と支援が行われていきます。
スタートアップ2社のそれぞれの代表
TOA OPTICS LIMITEDは、未来の医療分野に役立つ光を使った研究とデバイスの開発を行っています。例えば、交通事故や怪我で感染症などの心配がある場合、治療を迅速かつ正確に行うために、どういう細菌が入って、どのような薬が効くのか、を光を当てて、その波長の反応から一刻も早く原因を探し当てるというようなものです。そのパターンを解明するには長い道のり・・・ではありますが、臨床ですでに有用な情報が出てきている、と代表の御任氏は話します。判断材料の有効なひとつとして、実際にプロダクトが完成し、医療の現場で使われることを楽しみにしています。
もうひとつのスタートアップ企業は、名古屋工業大学発のThree-labs inc.です。こちらは、製造の分野でコストカットかつ美しい切削加工が可能になる技術、PLG(Pulse Laser Grinding)技術を開発しました。
スタートアップ各社に共通しているのは、「温故知新」の精神です。これまでに培われてきた技術を土台とし、従来の発想にとらわれない新しいアイデアを加えることで、革新的な技術やシステムの開発に取り組んでいます。
若い世代が果敢にスタートアップとして研究や商取引を始めやすいシステムと土壌、そして支援し相互協力する環境が、日本にも整いつつあることが、こうした優れたスタートアップ企業の増加を後押ししているのかもしれません。
製品とNTT ATブースの様子
LASER World of PHOTONICSへは初出展となる、NTT Advanced Technology Corporation( NTTアドバンステクノロジ株式会社)は他出展社でも採用されているパーツやソリューションシステムを複数展示していました。
最も興味深い展示は、10kWを超える高出力レーザーに対応可能なDiffractive Beam Shaper for High Power Laser(反射型ビームシェイパー )。従来のビームシェイパーで問題となる熱による変形を防ぐために、直接冷却システムを採用している、とのこと。注目すべき点は、ガウシアンビームを様々な任意形状のビームに変換でき、切断、溶接、穴あけ、3Dプリンティング、マーキングなどのレーザー加工に活用できるということです。
ちなみに7月1日より「日本電信電話株式会社」が「NTT株式会社」へと40年ぶりに社名もCIも刷新しました。すでに通称としてNTTは認知されているので、違和感はありません。ループマークはそのまま健在で、グループ会社のdocomoにもループマークが付いたことで、より統一感が生まれた印象です。
近年日本でもTVCMで人気のカッパーくんは今回はおやすみ
ドイツ・フランクフルトに事務所を構えるJX金属も日本から出展していました。
各国のパビリオンも複数出展していましたが、今回はフィンランドとオランダをピックアップ。中国も複数のクラスタパビリオン出展をしていました。
フィンランド
オランダ
中国
各国の大企業ももちろん出展。
ご存知 TRUMPF
アメリカNVIDIA
YAMAHA, OMRONそしてEPSON
スペインもレーザーフォトニクスの分野でも活発な産業活動を展開しています。
スペインのmonocrom社
国際レーザー・フォトニクス応用技術専門見本市は、商業的な側面でも活発ですが、技術者や研究者の意見交換の場としても質の高い議論が交わされている点も出展、そして視察に来る価値ある展示会です。
展示会場の様子は、出展しているとなかなか見に行きづらい
展示会場の様子は出展しているとなかなか見回る時間が無く、出展することで得られる体験は視察では得られない。弊社では専任の市場調査スタッフに、希望するクラスタまたは企業ブースのインタビューとレポートを依頼することも可能です。
そのほかにも、来場者の通訳手配やご案内サービスから、企業のドイツでのメッセに関するあらゆることをお手伝いしております。パネル制作やカタログ、ノベルティ制作など各種サポートが必要な時、お問い合わせはこちらのフォームからお気軽にご相談ください。